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2026-03-26 21:00:00

山形県のインバウンド状況|外国人宿泊者・銀山温泉・蔵王への訪問動向について

山形県のインバウンドはどうなっている?外国人宿泊者・銀山温泉・蔵王への訪問動向【2025年】

一般社団法人東北観光推進機構は、 2026年3月26日、 「東北におけるインバウンドの動向について」 と題する資料を公表しています。

この資料では、 東北地方全体の外国人宿泊者の動向に加え、 山形県を訪れる外国人旅行者の国・地域別の構成や、 銀山温泉、蔵王温泉、山寺などへの訪問状況についても 詳しい分析が行われています。

また、東北観光DMPのデータを利用して、 外国人旅行者が実際にどの地域を訪れているのか、 どの国・地域からの旅行者が多いのかなども紹介されています。

この記事では、 同資料の中から特に山形県に関係する内容を中心に、 数値や分析結果を分かりやすく整理して紹介します。

資料から分かる主なポイント
  • 東北6県の外国人延べ宿泊者数は2025年に大きく増加
  • 山形県の外国人宿泊者数も2018年を大きく上回っている
  • 山形県の外国人宿泊市場では台湾が最大
  • 中国、香港などの宿泊者も増加
  • 外国人の訪問は銀山温泉と蔵王温泉に特に集中
  • 山形駅や天童、山寺などにも一定の訪問がある
  • 山形県では1月から2月の冬季に外国人訪問が集中する傾向がある
  • 観光地間を移動するための「二次交通」の情報提供が課題として挙げられている

この資料はどのような資料?

「東北におけるインバウンドの動向について」は、 一般社団法人東北観光推進機構が 2026年3月26日に作成した資料です。

資料は全部で35ページあり、 主に次の6つのテーマで構成されています。

  1. 東北のインバウンドの現状
  2. 山形県のインバウンドの現状
  3. 東北観光DMPから読み解く動態分析
  4. 東北観光推進機構の事業戦略
  5. 東北エリア・山形県の今後の可能性
  6. 空港に期待する役割

観光庁の「宿泊旅行統計調査」や、 東北観光DMPなどのデータを利用して、 東北・山形県の観光状況を分析しています。

東北6県の外国人延べ宿泊者数は257.2万人泊

資料によると、 2025年1月から12月までの東北6県の 外国人延べ宿泊者数は、 257.2万人泊となりました。

2024年と比較すると 123.5%となっており、 外国人宿泊者が大きく増えています。

全国でも外国人宿泊者は増加していますが、 資料では東北の増加率が全国を上回る水準で 推移していることが示されています。

山形県の外国人宿泊者数は29万1,950人泊

山形県について、 観光庁の宿泊旅行統計調査をもとにした資料では、 2025年の外国人宿泊者数は 291,950人泊となっています。

日本人宿泊者 外国人宿泊者 総宿泊者数
2018年 5,267,880人泊 163,480人泊 5,431,360人泊
2019年 5,337,790人泊 234,070人泊 5,571,860人泊
2023年 4,387,850人泊 178,790人泊 4,566,640人泊
2024年 4,621,580人泊 256,110人泊 4,877,690人泊
2025年 4,442,980人泊 291,950人泊 4,734,930人泊

外国人宿泊者は2018年の179%

2018年の山形県の外国人宿泊者数は 163,480人泊でした。

これに対して2025年は291,950人泊となり、 資料では 2018年比179% とされています。

一方、日本人宿泊者については、 2025年は4,442,980人泊で、 2018年比84%です。

つまり、山形県では 外国人宿泊者数は2018年を大きく上回っている一方、 日本人宿泊者数は2018年の水準まで戻っていない という違いが確認できます。

山形県の外国人宿泊者では台湾が最大

従業員数10人以上の宿泊施設を対象とした 観光庁「宿泊旅行統計調査」をもとに 市場別の構成を見ると、 2025年の山形県では 台湾が最も大きな割合を占めています。

国・地域 2025年の市場別シェア
台湾 44%
中国 14%
香港 11%
アメリカ 4%
タイ 4%
シンガポール 3%
韓国 3%
その他 15%

※割合は資料掲載の数値です。各項目を四捨五入して表示しているため、 合計が必ずしも100%にならない場合があります。

台湾の割合は48%から44%へ

2024年は、 台湾が山形県の外国人宿泊者市場の 48%を占めていました。

2025年も台湾が44%で最大ですが、 中国や香港をはじめ、 そのほかの国・地域からの宿泊者数も増えています。

資料では、 2025年は台湾が引き続き最大の市場である一方、 多くの国で宿泊者数が伸びていると分析しています。

東北観光DMPで外国人旅行者の動きを分析

この資料の特徴の一つが、 「東北観光DMP」を利用した 外国人旅行者の動態分析です。

宿泊者数だけではなく、 外国人旅行者が実際にどの地域や観光スポットを訪れたのかを データから分析しています。

山形県については、 2025年1月から6月までのデータが紹介されています。

山形県で最も訪問が多かったのは銀山温泉

2025年1月から6月までの 東北観光DMPの分析によると、 山形県内で最も実訪問数が多かったのは 銀山温泉でした。

上位には銀山温泉だけでなく、 蔵王温泉や山形駅周辺なども入っています。

  1. 銀山温泉(尾花沢市)
    実訪問数 67,799
  2. 蔵王温泉・樹氷高原周辺(山形市)
    実訪問数 51,862
  3. 蔵王温泉・ロープウェイ・宿街(山形市)
    実訪問数 46,935
  4. 山形駅東口周辺(山形市)
    実訪問数 42,097
  5. 蔵王温泉・バスターミナル~ゲレンデ(山形市)
    実訪問数 21,417
  6. 天童駅東北エリア(天童市)
    実訪問数 16,682
  7. 天童公園・舞鶴山・温泉周辺(天童市)
    実訪問数 13,700
  8. 山形駅南西エリア(山形市)
    実訪問数 10,843
  9. 山寺・馬口岩
    実訪問数 10,513
  10. 山寺・芭蕉記念館・立石寺
    実訪問数 6,514

銀山温泉・蔵王への訪問が特に多い

資料では、 2025年1月から6月の山形県について、 銀山温泉への訪問が最も多く、 続いて蔵王温泉、山形駅東口となっていると分析しています。

特に、 尾花沢市、山形市、天童市に訪問が集中しています。

銀山温泉や蔵王温泉など、 海外でも比較的知名度の高い観光地に 外国人旅行者の訪問が集中している状況が確認されています。

東北6県と新潟県を合わせた訪問スポットランキングでも、 銀山温泉は 全体3位に入っています。

さらに、 蔵王温泉の樹氷高原周辺が6位、 蔵王温泉のロープウェイ・宿街が8位、 山形駅東口が10位となっています。

外国人訪問は冬に集中する傾向

山形県内の銀山温泉や蔵王温泉への訪問は、 特に1月から2月に多いことが 資料で確認されています。

銀山温泉の雪景色や、 蔵王の樹氷・スノーリゾートなど、 冬の山形を代表する観光資源が 外国人旅行者から注目されていることがうかがえます。

東北6県と新潟県全体の分析でも、 2025年前半は銀山温泉、蔵王、越後湯沢、 スキー場など、 冬や雪を特徴とする観光スポットが 訪問上位に多く入っています。

山形県を訪問する外国人は台湾が最多

東北観光DMPによる2025年1月から6月の 山形県内の訪問者を国・地域別に見ると、 台湾が最も多いとされています。

資料では、次の順となっています。

  1. 台湾
  2. 香港
  3. タイ
  4. 中国
  5. マレーシア

台湾からの訪問が特に多い一方で、 タイやマレーシアなど 東南アジアからの訪問割合も、 他県と比較して上位となっていることが 資料で指摘されています。

国・地域によって訪れる場所にも違い

東北観光DMPでは、 国・地域ごとの旅行者の移動傾向も分析されています。

台湾 冬季は銀山温泉・蔵王・越後湯沢などへの訪問が目立ちます。 他の市場と比較すると、東北全体を比較的広く周遊する傾向も示されています。
タイ 冬季は蔵王、銀山温泉、新潟のスキー場などへの訪問が多く、 春は桜を目的とした訪問が目立ちます。
中国 冬季は青森や越後湯沢などへの訪問が目立ち、 北海道と組み合わせて周遊する動きも確認されています。
香港 越後湯沢、蔵王、銀山温泉など、 冬季観光地への訪問が多く確認されています。

山形県内でも地域によって外国人訪問に差がある

資料では、 外国人旅行者の訪問が山形県内全域に 均等に広がっているわけではないことも示されています。

銀山温泉、蔵王温泉、山形駅、天童など、 山形新幹線や仙台方面から比較的アクセスしやすい 県内陸部への訪問が多くなっています。

一方、 同じ山形新幹線沿線でも、 米沢などは相対的に訪問数が少ないとされています。

庄内地域への訪問も確認されている

訪問上位20スポットには、 庄内地域からも次の場所が入っています。

  • 湯野浜温泉 2,102
  • 鶴岡駅と南側繁華街 1,560
  • あつみ温泉 1,056

ただし、 銀山温泉や蔵王温泉など内陸部の主要観光地と比較すると、 実訪問数には大きな差があります。

「二次交通」の情報提供が課題

資料では、 山形県への外国人旅行者の訪問を広げるための課題として、 観光地までの移動方法をどのように外国人旅行者へ伝えるか という点を挙げています。

仙台駅や仙台空港などから山形県に入った後、 鉄道、バス、タクシーなどを利用して 各観光地へ移動する必要があります。

こうした主要な交通拠点から目的地までの移動は、 一般に「二次交通」と呼ばれます。

東北6県・新潟県全体の分析でも、 新幹線沿線のスポットへの訪問が特に多く、 二次移動に関する情報の浸透が 広域周遊の鍵になると指摘されています。

東北の国際航空便も回復

資料では、 東北地方と海外を結ぶ国際航空便についても 2019年と2026年を比較しています。

東北6県と新潟県を合わせた7県では、 国際定期便・チャーター便が 2026年夏には週62便まで回復するとされています。

2019年は週56便だったため、 資料上では2019年を上回る便数となっています。

また、2026年夏の東北7県の国際航空路線では、 台湾路線が全体の56.5%を占めています。

今後は冬だけでなく春やグリーンシーズンにも注目

東北観光推進機構は、 東北のインバウンドについて、 スノーシーズンに強みがあると分析しています。

一方で、 今後の可能性として 桜をテーマとした外国人誘客も挙げています。

2025年4月は、 前年と比較して外国人訪問の増加幅が大きい国も多く、 東北各地に桜の名所が存在することから、 桜を活用した誘客と広域周遊には さらに可能性があるとしています。

山形県の自然・文化も今後の観光資源として紹介

資料では、 山形県と東北の今後の可能性についても触れています。

東北の自然や歴史文化は、 世界的に広がっている 「アドベンチャートラベル」や 持続可能な観光との相性が良いとしています。

アドベンチャートラベルは、 資料では次の3つの要素から説明されています。

  • アクティビティ
  • 自然
  • 異文化体験

また、 山形県の精神文化についても、 特に欧米豪の旅行者から評価されていると 資料では紹介されています。

「たくさん来てもらう」だけではない観光へ

東北観光推進機構の今後の戦略では、 単純に旅行者の人数だけを増やすのではなく、 観光の質や地域との関係を重視する考え方も示されています。

2026年度の事業計画では、

「たくさん来てもらう」から 「価値を分かち合う人に来てもらう」東北へ

という方向性が示されています。

自然や文化を守りながら、 旅行者、地域の事業者、地元住民がともに 観光地域を育てていく 「持続可能な観光」が重視されています。

空港に期待されている3つの役割

資料の最後では、 地方空港に期待される役割について 3つの視点から整理されています。

1.アクセス改善による交流人口の拡大

  • 国際線の就航などによって地方への「行きにくさ」を解消する
  • 移動の利便性を向上させる
  • 航空便就航地域との交流を拡大する

2.地域の拠点としての付加価値向上

  • 空港に多様な機能を持たせ、地域の交流拠点とする
  • 新しい交通結節点として活用する
  • 空港そのものを観光資源として活用する可能性

3.災害時の広域支援拠点

  • 仙台空港など他空港の補完機能
  • 鉄道などが利用できない場合の代替輸送手段
  • 地域の災害対応力を高める役割

資料を読む際の注意点

今回の資料では、 複数の統計やデータが使用されています。

例えば、 国・地域別の外国人延べ宿泊者数については、 観光庁「宿泊旅行統計調査」の 従業員数10人以上の宿泊施設を対象とした数値 が使用されているページがあります。

一方、 観光スポットの実訪問数については、 株式会社インテージのデータを利用した 東北観光DMPが使用されています。

そのため、 「外国人宿泊者数」と「観光スポットの実訪問数」は 異なる種類のデータであり、 単純に人数として比較できるものではありません。

まとめ

2025年の山形県では、 外国人宿泊者数が2018年の水準を大きく上回っています。

国・地域別では台湾が最大の市場となっており、 中国、香港をはじめ、 そのほかの国・地域からの宿泊者も増えています。

東北観光DMPによる2025年1月から6月の分析では、 山形県内で外国人の訪問が最も多かったのは銀山温泉で、 蔵王温泉、山形駅、天童、山寺などが続いています。

特に銀山温泉と蔵王温泉への訪問が集中しており、 冬の雪景色やスノーリゾートが 山形県のインバウンド観光における大きな特徴となっています。

一方、 県内全域への外国人旅行者の周遊という点では地域差もあり、 鉄道やバスなどを利用した二次交通について、 外国人旅行者に分かりやすく情報を届けることが 課題の一つとして挙げられています。

今後については、 冬の観光だけではなく、 桜などのグリーンシーズン、 山形・東北が持つ自然、歴史、文化を活用した観光、 持続可能な観光などにも可能性があるとされています。

参考資料

一般社団法人 東北観光推進機構
「東北におけるインバウンドの動向について」
2026年3月26日

▶ 山形県公開資料「東北におけるインバウンドの動向について」を見る(PDF)

主なデータ出典:
観光庁「宿泊旅行統計調査」
東北観光DMP(データ提供元:株式会社インテージ)

※本記事は2026年3月26日現在、 山形県が公開している一般社団法人東北観光推進機構の資料 「東北におけるインバウンドの動向について」をもとに、 山形県に関係する内容を中心に整理して紹介したものです。
※掲載している人数・宿泊者数・市場構成・実訪問数等は、 それぞれの調査・データの定義による数値です。
※各種統計は今後更新されるため、 最新の状況については山形県、観光庁、 東北観光推進機構等の公表資料をご確認ください。

2026.09.07 Monday
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