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山形県の企業組合とは?|4人以上で創業する仕組み・設立認可要件・手続き
山形県の企業組合制度|公式資料の紹介
山形県の「企業組合」とは?4人以上で創業できる仕組み・設立要件・手続きを解説
山形県中小企業団体中央会では、 企業組合制度を、個人が共同して創業するために活用できる制度 として紹介しています。
企業組合は、 複数の個人がそれぞれの資本・労働・経験・技能などを持ち寄り、 組合自体が法人格を持つ一つの事業体として 事業を行う中小企業組合の一種です。
会社員、個人事業者、主婦、学生、退職者など、 それぞれ異なる経験や技術を持つ人が集まり、 自分たちの働く場を自分たちでつくる という点に大きな特徴があります。
このページでは、 山形県中小企業団体中央会が公開している 「企業組合設立のご案内」などをもとに、 企業組合の仕組み、設立要件、組合員、事業、 運営方法、設立手続などを整理して紹介します。
企業組合とは?
企業組合は、 中小企業等協同組合法に基づく法人です。
山形県中小企業団体中央会では、 事業者、勤労者、主婦、学生などの個人が組合員となり、 資本と労働を持ち寄って 自らの働く場をつくるための組織として紹介しています。
一般的な事業協同組合では、 それぞれ独立した事業者が共同購買・共同販売などの 共同事業を行う形が中心です。
これに対して企業組合では、 組合そのものが一つの事業主体として事業を行う 点が特徴です。
企業組合は4人以上の個人で設立
企業組合を設立するためには、 原則として4人以上の個人 が必要です。
一人で設立する株式会社や合同会社とは異なり、 複数人が共同して事業を行うことを前提とする制度です。
| 設立の基本人数 | 4人以上の個人 |
|---|---|
| 法人格 | あり |
| 根拠法 | 中小企業等協同組合法 |
| 主な目的 | 組合員の働く場の確保、共同での事業経営 |
企業組合ではどのような事業ができる?
中小企業等協同組合法では、 企業組合について、 商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を 行うものとしています。
山形県中小企業団体中央会も、 企業組合が行う事業には基本的に業種上の制限がない と説明しています。
そのため、 組合員が持つ経験・技術・資格・ノウハウなどを組み合わせて、 さまざまな事業を検討できます。
たとえば、
- 農産物や地域特産品の加工・販売
- デザイン・IT関連事業
- 介護・福祉関連サービス
- 飲食・小売事業
- 地域活性化事業
- 各種サービス事業
など、組合員の経験や地域の需要に応じた事業が考えられます。
飲食業、運送業、介護事業など、 個別の法令により許可・届出・指定等が必要となる業種では、 企業組合であっても別途その手続が必要です。
組合員になれる人
企業組合は、 もともと個人を中心とした制度です。
年齢、性別、学歴などによって 一律に組合員資格が制限される制度ではなく、 さまざまな経験を持つ人が参加できます。
また現在は、 一定の条件のもとで、 組合の事業活動を支援する 法人などが「特定組合員」として加入することも可能 です。
特定組合員とは
特定組合員とは、 企業組合の事業に必要な 施設、物資、技術、人材などを提供する法人等で、 一定の要件を満たして加入する組合員です。
山形県中小企業団体中央会の案内では、 個人以外の組合員について、
- 全組合員数の4分の1以下
- 個人以外の組合員全体の出資比率は出資総額の2分の1未満
という制限が示されています。
企業組合には「組合員が働く」という特徴がある
企業組合の重要な特徴の一つが、 出資するだけでなく、組合員自身が組合の事業に従事する という点です。
現在の中小企業等協同組合法では、 原則として次の割合が定められています。
| 組合員の従事割合 | 総組合員の2分の1以上の個人組合員が、 組合の事業に従事する必要があります。 |
|---|---|
| 従事者中の組合員割合 | 組合の事業に従事する者の3分の1以上は、 組合員である必要があります。 |
出資額にかかわらず「1人1票」が基本
株式会社では、 一般に保有する株式数によって議決権の大きさが変わります。
これに対して企業組合では、 個人組合員について出資額の大小にかかわらず、 議決権・選挙権が原則として平等 です。
つまり、 多く出資した人だけが強い権限を持つのではなく、 組合員が共同して意思決定する仕組みになっています。
| 企業組合 | 原則として1人1票 |
|---|---|
| 株式会社 | 原則として保有株式数に応じた議決権 |
この点は、 複数人が対等な立場で事業を始めたい場合に、 企業組合を検討する際の重要な特徴となります。
組合員は有限責任
企業組合の組合員には、 有限責任が適用されます。
基本的には、 組合員は自らの出資額を限度として 組合の債務について責任を負う仕組みです。
法人格を持つ事業体として事業を行いながら、 組合員個人の責任が無制限になる制度ではありません。
出資額はどう決める?
企業組合は出資制の組織です。
各組合員が出資し、 その出資をもとに組合として事業を行います。
山形県中小企業団体中央会の制度比較では、 原則として 1組合員の出資限度は出資総額の25% とされています。
特定の一人に出資や支配が集中するのではなく、 複数の組合員が共同で事業を運営する制度設計となっています。
企業組合は利益を上げることができる
企業組合は、 NPO法人のような非営利活動だけを目的とする法人ではありません。
事業を行い、利益を上げることができる法人 です。
山形県中小企業団体中央会では、 企業組合について、 組合員が事業に従事した分量に応じた 「従事分量配当」のほか、 一定の範囲で出資配当を行うことができる制度として紹介しています。
事業に従事する組合員と給与
山形県中小企業団体中央会の案内では、 企業組合の事業に従事する組合員について、 その労働に対して受け取る所得は 事業所得ではなく 給与所得として扱われる と説明されています。
社会保険や労働保険についても、 事業への従事状況や役員としての立場などによって 取扱いが関係します。
企業組合と株式会社の主な違い
| 比較項目 | 企業組合 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 設立人数 | 4人以上の個人が基本 | 1人でも設立可能 |
| 法人格 | あり | あり |
| 議決権 | 原則1人1票 | 原則として株式数に応じる |
| 組合員・株主の責任 | 有限責任 | 有限責任 |
| 働く義務 | 一定割合の組合員に事業従事義務あり | 株主に勤務義務はない |
| 行政庁の認可 | 設立認可が必要 | 通常は不要 |
| 主な性格 | 人的結合を重視した共同事業体 | 出資を基礎とする会社 |
どちらが優れているというものではなく、 事業を誰と、どのような関係で行いたいのか によって適した組織形態が異なります。
企業組合を設立するまでの流れ
企業組合は、 メンバーが集まっただけで自動的に法人となるわけではありません。
定款・事業計画等を作成し、 創立総会を開催したうえで、 所管行政庁の設立認可と法務局での設立登記 が必要です。
どのような事業を行うのか、 誰が組合員となるのか、 どのように収益を上げるのかなど、 事業の基本構想を検討します。
企業組合を設立するため、 組合員になろうとする人の中から 4人以上の発起人を定めます。
発起人を中心に、 設立趣意書、定款、事業計画、収支予算など、 組合設立に必要となる内容を整理します。
組合加入予定者による創立総会を開催し、 定款、事業計画、収支予算、 役員など組合設立に必要な事項を審議・決定します。
創立総会終了後、 定款・事業計画・役員関係書類・議事録などを添えて、 所管行政庁へ企業組合の設立認可を申請します。
設立手続や定款、 事業計画などについて審査が行われ、 認可を受けます。
組合員から出資金の払込みを行い、 法人設立登記の準備を進めます。
主たる事務所の所在地を管轄する法務局で 設立登記を行います。
出資の払込みが完了した日から 2週間以内に 設立登記を行うことが法律上定められています。
企業組合設立で検討する主な書類
実際の設立認可申請では、 組合の内容に応じてさまざまな書類を準備します。
代表的なものとして、
- 設立認可申請書
- 定款
- 設立趣意書
- 事業計画書
- 収支予算書
- 設立同意者関係書類
- 出資関係書類
- 役員に関する書類
- 創立総会議事録
- 理事会議事録
などがあります。
定款で決めること
定款は、 企業組合の基本的なルールを定める重要な書類です。
組合の名称、事業、事務所、 組合員資格、出資、役員、 総会、事業年度など、 組合をどのように運営するのかを定めます。
設立後も組合運営の基本となるため、 実際に行う事業や組合員の関係を踏まえて 内容を検討する必要があります。
企業組合の運営では「人数の割合」に注意
企業組合では、 設立時だけ4人をそろえればよいというものではありません。
設立後も、 企業組合としての性格を維持するため、 組合員と事業従事者の割合に注意する必要があります。
| 事業に従事する組合員 | 原則として個人組合員の2分の1以上 |
|---|---|
| 事業従事者のうち組合員 | 3分の1以上 |
事業を拡大して従業員を増やす場合なども、 この割合を確認しながら運営する必要があります。
企業組合はどのような創業に向いている?
企業組合の制度上の特徴から考えると、 たとえば次のようなケースで検討されることがあります。
- 複数人が対等な立場で一緒に事業を始めたい
- それぞれの経験や技能を組み合わせて事業をしたい
- 地域の人たちで仕事をつくりたい
- 個人事業を集約して一つの法人として活動したい
- 地域課題を事業として解決したい
- 組合員自身が実際に働く組織をつくりたい
山形県中小企業団体中央会では、 企業組合制度について、 女性の起業や少人数でのスタートアップなどにも活用される組織形態 として普及・設立支援を行っています。
山形県内にも企業組合の事例があります
企業組合は全国だけでなく、 山形県内でも実際に活用されています。
山形県中小企業団体中央会の事例紹介では、 企業組合による地域事業・デザイン・IT・農業などの取組が紹介されています。
これまでの県内事例として、
- 羽越のデザイン企業組合
- 企業組合リンクシップ
- 企業組合ジパング
などが紹介されています。
また、山形県中小企業団体中央会の組合リンク集には、 企業組合TORUSや企業組合ハウスドクターやまがたなども掲載されています。
山形県中小企業団体中央会が設立・運営を支援
山形県中小企業団体中央会は、 企業組合をはじめとする中小企業組合について、 設立から運営までの支援を行っています。
企業組合を検討する場合には、 実際に設立手続へ入る前の段階から 中央会へ相談することができます。
企業組合の設立前に確認しておきたいこと
企業組合は、 4人集まれば自動的に設立できるという制度ではありません。
実際には、
- 誰を組合員にするのか
- 誰が実際に事業へ従事するのか
- 各組合員はいくら出資するのか
- どのような事業を行うのか
- 売上・経費をどのように見込むのか
- 役員を誰にするのか
- 給与や報酬をどのように設計するのか
- 必要な許認可があるか
などを具体的に整理する必要があります。
特に事業計画については、 企業組合として継続して事業を行うための 経営的な基盤があるかという観点も重要になります。
企業組合についてのよくある質問
原則として4人以上の個人が必要です。 複数人が共同して事業を行うことを前提とする法人制度です。
企業組合は個人を中心とした制度で、 事業者だけに限定されているものではありません。 ただし、 組合として定める組合員資格や、 勤務先の兼業規程等については別途確認が必要です。
中小企業等協同組合法では、 商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を 行うことができる制度となっています。 ただし、許認可業種では別途必要な許認可を取得する必要があります。
一定の条件のもとで、 組合事業を支援する法人等が 特定組合員として加入することができます。
全員ではありません。 現行法では、原則として個人組合員の2分の1以上が 企業組合の事業に従事する必要があります。
個人組合員は、 原則として出資額の多寡にかかわらず 1人1票の平等な議決権を持ちます。
はい。 中小企業等協同組合法に基づく法人であり、 組合自体が事業主体となります。
はい。 創立総会等を経たうえで所管行政庁へ設立認可申請を行い、 認可後、出資の払込みと法務局での設立登記を行います。
公式資料で最新情報を確認してください
企業組合に関する制度・手続・税制等は、 法改正や運用変更により内容が変更される場合があります。
実際に企業組合の設立を検討する場合には、 山形県中小企業団体中央会や 関係行政機関の最新情報を確認してください。
企業組合の設立を検討している方へ
企業組合制度そのものについては、 山形県中小企業団体中央会が設立・運営支援を行っています。
一方、 企業組合の設立に伴う定款、 事業計画、設立認可申請書類、 関連する許認可などについて 専門家への相談が必要となる場合もあります。
川越政伸行政書士事務所でも、 行政手続に関するご相談を承っています。
お問い合わせ川越政伸行政書士事務所
TEL:0237-86-7198
主な参考資料
山形県中小企業団体中央会「企業組合制度のご案内」
山形県中小企業団体中央会「企業組合設立のご案内」
中小企業等協同組合法
中小企業庁「中小企業組合制度」
※本ページは、 山形県中小企業団体中央会が公開している企業組合関係資料等をもとに、 制度の概要を一般向けに整理したものです。 個別の設立認可、税務、社会保険、労働保険、 許認可等については、それぞれの関係機関へ最新の取扱いをご確認ください。
