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2026-07-29 19:00:00

特定技能とは?制度の概要・対象分野・取得方法を行政書士がわかりやすく解説【2026年版】

外国人材の採用を検討している企業様へ

特定技能とは?
1号・2号の違い、19分野、企業の受入れ要件を解説【2026年】

技能試験・日本語試験、技能実習からの移行、10項目の支援、協議会、届出まで。
特定技能外国人を採用する企業が知っておきたい制度を行政書士・登録支援機関が解説します。

2026年8月25日時点|特定技能制度の重要ポイント

・特定技能の対象となる特定産業分野は制度上19分野です。
・特定技能2号の対象は11分野です。
・2025年4月から、地方公共団体への協力確認書と共生施策を踏まえた支援が必要になりました。
・特定技能所属機関の定期届出は年1回に変更されています。
・育成就労制度は2027年4月1日から運用開始予定です。
・2027年4月1日から、1号特定技能外国人の支援体制に関する要件も改正されます。

特定技能とは、日本国内で人材を確保することが難しい産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人が働くための在留資格です。

2019年4月に創設され、製造業、食品製造業、建設、農業、宿泊、外食、介護など、人手不足が課題となっているさまざまな業界で外国人材の受入れに利用されています。

ただし、外国人本人が試験に合格しているだけでは採用できません。企業側についても、外国人に担当させる仕事内容、雇用条件、分野ごとの受入れ基準、協議会への加入、1号外国人の支援体制などを確認する必要があります。

まず結論|特定技能を利用する前に確認すること

① 外国人に担当させる仕事が特定技能の対象業務か
② 外国人本人が技能・日本語要件を満たしているか
③ 技能実習2号良好修了による試験免除が使えるか
④ 企業・事業所が分野ごとの受入れ基準を満たしているか
⑤ 給与・労働時間・雇用形態が適正か
⑥ 協議会加入など分野固有の手続が済んでいるか
⑦ 特定技能1号の場合、10項目の支援体制を用意できるか

「自社の仕事で特定技能外国人を採用できる?」という企業様へ

業種名だけで判断せず、外国人が実際に担当する仕事内容、勤務事業所、本人の試験・技能実習歴、企業側の基準まで確認して採用手続きを整理します。

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特定技能1号と特定技能2号の違い

比較 特定技能1号 特定技能2号
技能水準 相当程度の知識または経験を必要とする技能 熟練した技能
在留期間 原則通算5年以内 更新を受ければ通算上限なし
家族帯同 原則不可 要件を満たせば配偶者・子が可能
技能試験 原則必要 各分野でより高い技能水準を確認
日本語 分野ごとの基準を確認 分野により要件が異なる
実務経験 技能試験等で技能水準を確認 分野ごとに指導・管理等の実務経験が求められる
1号支援計画 必要 不要

特定技能2号は、単に「1号で5年間働けば自動的に移行できる」制度ではありません。各分野で定められた2号技能試験や実務経験等の要件を満たし、在留資格変更許可を受ける必要があります。

特定技能の対象は制度上19分野

2026年1月の閣議決定等により、特定技能の特定産業分野は制度上19分野となっています。

分野 特定技能2号
1.介護
2.ビルクリーニング 対象
3.リネンサプライ
4.工業製品製造業 対象
5.建設 対象
6.造船・舶用工業 対象
7.自動車整備 対象
8.航空 対象
9.宿泊 対象
10.自動車運送業
11.鉄道
12.物流倉庫
13.農業 対象
14.漁業 対象
15.飲食料品製造業 対象
16.外食業 対象
17.林業
18.木材産業
19.資源循環

新しく追加された分野・業務区分は、分野ごとに受入開始時期が異なることがあります。
2026年1月の閣議決定で制度上19分野となりましたが、省令、告示、技能試験、協議会等の準備が整った分野から順次実際の受入れが可能となります。採用前に対象分野の最新状況を確認します。

特定技能1号を取得する主な方法

1.技能試験・日本語試験に合格する

原則として、希望する分野・業務区分に対応する技能試験と、日本語能力を確認する試験に合格します。

多くの分野では、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上が基準ですが、介護、自動車運送業の一部、特定技能2号など、分野・業務区分によって異なる日本語要件があります。

2.技能実習2号を良好に修了して移行する

技能実習2号を良好に修了した外国人は、特定技能1号への移行時に試験免除を受けられる場合があります。

日本語試験
→ 特定技能1号で求められる共通の日本語水準がJFT-BasicまたはJLPT N4以上の分野・区分では、技能実習2号を良好に修了していれば、原則として職種・作業を問わず免除。

技能試験
→ 技能実習2号の職種・作業と、特定技能で従事する業務に関連性が認められる場合に免除。

「技能実習2号を終えた=どの特定技能分野でも技能試験免除」ではありません。
どの技能実習職種・作業を修了したのか、特定技能でどの業務区分へ移行するのかを確認します。

育成就労制度は2027年4月1日から運用開始

技能実習制度を発展的に解消して創設される「育成就労制度」は、2027年4月1日から運用開始予定です。

育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成・確保する制度として設計されています。

そのため、2026年現在の特定技能申請では、現行の技能実習2号良好修了者から特定技能1号への移行が中心ですが、2027年4月以降は育成就労制度との連続性も重要になります。

特定技能外国人を採用する企業に必要な主な要件

✓ 外国人と適正な特定技能雇用契約を締結する
✓ 外国人の報酬額を日本人と同等以上にする
✓ 労働関係法令を遵守している
✓ 社会保険・租税関係法令を適切に履行している
✓ 外国人が安定して就労できる受入れ体制を整える
✓ 外国人に担当させる仕事が対象分野・業務区分に該当する
✓ 分野別の上乗せ基準を満たす
✓ 必要な協議会へ加入する
✓ 1号の場合は適切な支援計画を作成・実施する
✓ 入管庁への各種届出を適切に行う

会社の業種名だけでは判断できません

特定技能では、企業全体の業種だけでなく、外国人が働く事業所の事業内容と、本人が実際に行う仕事が重要です。製造業、食品製造業、宿泊業などでは、対象となる産業分類、許認可、施設要件等が細かく定められている場合があります。

特定技能外国人は派遣できる?

特定技能では、原則として受入れ企業との直接雇用が基本です。

派遣形態が認められる分野は限定されています

2026年現在、特定技能外国人を派遣形態で就労させることが認められているのは、一定の要件を満たす農業・漁業です。製造、宿泊、外食等で「派遣会社から特定技能外国人を受け入れる」ことはできません。

特定技能外国人の派遣について詳しく見る

特定技能1号では「10項目の支援」が必要

特定技能1号外国人を受け入れる企業は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、外国人が日本で安定して生活・就労できるよう支援する必要があります。

10項目の主な義務的支援
1.事前ガイダンス
2.出入国時の送迎
3.住居確保・生活に必要な契約の支援
4.生活オリエンテーション
5.公的手続等への同行・補助
6.日本語学習の機会の提供
7.相談・苦情への対応
8.日本人との交流促進
9.会社都合等による離職時の転職支援
10.定期面談・必要な行政機関への通報

自社で支援体制を整えることが難しい場合は、支援計画の全部を登録支援機関へ委託することができます。

義務的支援に必要な費用を外国人本人へ負担させることはできません。
登録支援機関への委託費、義務的支援のための通訳費、必要な送迎費等を外国人の給与から控除するような取扱いはできません。

登録支援機関への支援委託について詳しく見る

2025年4月から「協力確認書」と地域の共生施策への対応

2025年4月1日から、特定技能所属機関には、外国人が働く事業所所在地や住居地の地方公共団体が実施する外国人との共生施策への協力が求められています。

初めて特定技能外国人を受け入れる場合の基本的な流れ
特定技能雇用契約を締結

事業所所在地・外国人の住居地の市区町村へ協力確認書を提出

地方公共団体の共生施策を確認

1号特定技能外国人支援計画へ必要事項を反映

COE交付申請または在留資格変更許可申請

特定技能の定期届出は年1回

2025年4月1日から、特定技能所属機関の定期届出は四半期ごとではなく年1回に変更されました。

届出対象期間:毎年4月1日~翌年3月31日
提出期間:翌年度4月1日~5月31日

定期届出とは別に、雇用契約の変更・終了、受入れ困難、支援計画の変更などについて随時届出が必要となる場合があります。

特定技能外国人を採用するまでの流れ

STEP1 外国人に担当させる仕事を具体化

STEP2 対象分野・業務区分を確認

STEP3 本人の技能試験・日本語試験・技能実習歴を確認

STEP4 企業・事業所の分野別要件を確認

STEP5 協議会加入等の分野別手続を行う

STEP6 雇用条件を決定し特定技能雇用契約を締結

STEP7 1号の場合は支援計画を作成

STEP8 COE交付申請または在留資格変更許可申請

STEP9 許可後に対象業務で就労開始

STEP10 支援・届出・在留期限を継続管理

特定技能申請で確認する主な書類

外国人本人

技能試験・日本語試験、技能実習良好修了関係資料、健康診断、パスポート・在留カード関係資料等。

受入れ企業

会社関係資料、社会保険・税関係資料、雇用契約、報酬説明、分野別の立証資料等。

特定技能1号

1号特定技能外国人支援計画、登録支援機関へ委託する場合の委託関係資料等。

分野別資料

協議会加入証明、許認可、誓約書、事業所の産業分類、実務経験証明等、各分野で指定された資料。

必要書類は、外国人の国籍、国内・海外在住、技能実習からの移行か試験合格ルートか、受入れ企業の区分、特定産業分野によって異なります。

企業が特定技能外国人を採用するメリット

人材確保の選択肢が広がる

国内採用だけでなく、日本にいる外国人や海外人材も採用候補にできます。

一定の技能水準を確認できる

技能試験や技能実習良好修了等によって、分野に必要な一定の技能を確認できます。

2号なら長期雇用も可能

2号対象分野では、要件を満たして更新を続けることで通算在留期間の上限なく就労できます。

技能実習からの継続雇用

対応関係がある場合、技能実習2号良好修了者を試験免除で特定技能へ移行できることがあります。

特定技能外国人の採用でよくある確認漏れ

1.外国人の試験合格だけで採用を決める
→ 企業・事業所・仕事内容の要件も確認します。

2.会社が対象業界だから何の仕事でも任せられると思う
→ 特定技能で認められた業務区分に該当する必要があります。

3.技能実習2号なら必ず技能試験免除だと思う
→ 職種・作業と特定技能業務の関連性を確認します。

4.協議会加入を在留申請直前に始める
→ 分野によって事前加入・審査期間があるため早めに確認します。

5.登録支援機関へ委託すれば企業側の責任がなくなると思う
→ 雇用主としての労務管理・法令遵守等は企業の責任です。

6.採用後の届出・在留期限管理を忘れる
→ 定期届出・随時届出・更新を継続管理します。

2027年4月から特定技能の支援体制も変更

2027年4月1日から、1号特定技能外国人への支援体制に関する要件が改正されます。

主な改正内容
・支援を行う事業所等ごとに支援責任者・支援担当者を常勤役職員から選任
・実際に支援業務を行える者を支援責任者・支援担当者として選任
・支援責任者に養成講習の受講を義務付け
・登録支援機関について支援対象人数等に応じた支援担当者数の基準を導入

現在、自社で特定技能1号の支援を行っている企業は、2027年4月以降も自社支援を続けられる体制か、登録支援機関への全部委託に切り替えるかを事前に検討しておくことが重要です。

特定技能でよくある質問

Q.特定技能1号は何年日本にいられますか?

原則として特定技能1号での通算在留期間は5年以内です。一定の事情によって通算期間に含めない取扱いや特例が認められる場合があります。

Q.特定技能1号から2号へ自動的に移行できますか?

自動的には移行しません。2号対象分野で、技能試験・実務経験等の分野別要件を満たし、在留資格変更許可を受ける必要があります。

Q.特定技能1号で家族を日本へ呼べますか?

原則として家族帯同は認められていません。特定技能2号では、要件を満たせば配偶者・子を「家族滞在」で帯同できる場合があります。

Q.特定技能1号はN4があればどの分野でも働けますか?

いいえ。多くの分野ではJFT-BasicまたはJLPT N4以上が基本ですが、分野・業務区分によって別の日本語基準や追加試験があります。さらに技能試験や企業側の要件も満たす必要があります。

Q.技能実習2号を修了した外国人は試験不要ですか?

良好修了者については共通の日本語試験が原則免除され、技能実習の職種・作業と特定技能で従事する業務に関連性が認められる場合は技能試験も免除されます。

Q.特定技能外国人は転職できますか?

転職は可能ですが、新しい勤務先・仕事内容が特定技能の要件を満たす必要があります。在留資格変更許可申請等、必要な在留手続を行います。

Q.小規模企業でも特定技能外国人を採用できますか?

会社規模だけで一律に決まる制度ではありません。一般的な受入れ機関の基準と、各分野で定められた企業・事業所の条件を満たしているかを確認します。

Q.特定技能1号の支援は全部会社で行わなければなりませんか?

自社で適切な支援体制を整える方法と、支援計画の全部を登録支援機関へ委託する方法があります。

Q.育成就労制度はもう始まっていますか?

2026年8月現在、実際の育成就労外国人の受入れはまだ始まっていません。運用開始日は2027年4月1日です。

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川越政伸行政書士事務所では、行政書士としての在留資格申請と、登録支援機関としての特定技能1号外国人支援の両方に対応しています。

・初めて特定技能外国人を採用したい
・自社の仕事が特定技能の対象か確認したい
・技能実習から特定技能へ変更したい
・海外から特定技能外国人を採用したい
・特定技能1号から2号への変更を検討している
・企業側の分野別要件を確認したい
・協議会加入のタイミングを確認したい
・1号特定技能外国人の支援を委託したい
・COE・変更・更新申請を依頼したい
・受入れ後の届出や更新も継続して相談したい

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まとめ|特定技能は「外国人本人」と「企業側」の両方を確認

特定技能は、人材確保が困難な産業分野で外国人材を受け入れるための重要な在留資格です。制度上19分野が設定され、11分野では特定技能2号への移行も可能です。

特定技能1号では、原則として技能試験・日本語試験への合格が必要ですが、技能実習2号を良好に修了している場合には試験免除を受けられることがあります。

一方、企業側にも、仕事内容、事業所、雇用契約、報酬、法令遵守、分野別基準、協議会、1号支援計画、定期・随時届出など多数の確認事項があります。

外国人へ内定を出してから制度上の問題が判明することを避けるため、採用の早い段階で「この外国人を、この会社で、この仕事に特定技能として採用できるか」を確認することが重要です。

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