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宿泊分野の特定技能を解説|業務内容・取得要件・企業側の受入れ条件
ホテル・旅館で特定技能外国人を採用したい企業様へ
宿泊分野の特定技能を解説
1号・2号の要件、仕事内容、協議会、受入れ条件【2026年】
フロント・接客・レストランサービス・客室清掃はどこまで可能?
技能試験、日本語、2号の実務経験、旅館・ホテル営業許可、直接雇用、登録支援まで行政書士が解説します。
このページで分かること
・宿泊分野の特定技能1号・2号でできる仕事
・客室清掃、ベッドメイキング、配膳等の扱い
・1号の技能試験・日本語試験と技能実習からの免除
・2号の技能試験、日本語B1相当、2年以上の指導実務経験
・受入れできるホテル・旅館の営業許可
・直接雇用、協議会、登録支援機関の要件
・技人国と特定技能のどちらを選ぶべきか
宿泊分野では、在留資格「特定技能」により、外国人をホテル・旅館のフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等で雇用できます。
一方で、「ホテルならどの施設でも受け入れられる」「客室清掃だけを任せてもよい」「人材派遣会社から受け入れられる」という制度ではありません。
外国人本人の試験だけでなく、施設の営業許可、仕事内容、雇用形態、宿泊分野特定技能協議会への加入、1号外国人の支援体制まで確認してから在留資格申請を進めることが重要です。
まず結論|宿泊分野の特定技能で重要なポイント
✓ 1号・2号ともフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等が対象
✓ 客室清掃・ベッドメイキング・館内販売等は関連業務として付随的に従事可能
✓ 関連業務だけへ専ら従事させることは不可
✓ 1号は原則「宿泊分野特定技能1号評価試験+A2.2相当以上の日本語」
✓ 2号は「宿泊分野特定技能2号評価試験+B1相当以上の日本語+2年以上の指導実務経験」
✓ 受入れ施設は旅館業法上の「旅館・ホテル営業」の許可が必要
✓ 簡易宿所・下宿営業は宿泊分野特定技能の受入れ対象外
✓ 雇用は直接雇用のみで派遣不可
✓ 受入れ企業は宿泊分野特定技能協議会への加入が必要
✓ 1号の支援を全部委託する登録支援機関も協議会加入が必要
「自社のホテル・旅館で特定技能を受け入れられる?」という企業様へ
営業許可、外国人に任せる仕事内容、本人の試験・技能実習歴、協議会、支援体制まで確認して、採用・申請の進め方を整理します。
ホテル・旅館の外国人雇用|目的別ページ
宿泊分野の特定技能で担当できる仕事
フロント
チェックイン・チェックアウト、予約確認、宿泊客対応、観光案内、ツアー手配等。
企画・広報
宿泊プラン、キャンペーン、館内案内、ホームページ、SNS等による情報発信。
接客
館内案内、宿泊客からの問い合わせ対応、宿泊サービスの提供等。
レストランサービス
注文対応、配膳・片付け、料理の説明、下ごしらえ・盛り付け等。
特定技能1号は、宿泊施設でフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務へ従事します。
特定技能2号では、これらの宿泊サービス業務を行うことに加えて、複数の従業員を指導しながら業務へ従事することが求められます。
客室清掃・ベッドメイキングもできる?
宿泊分野の特定技能外国人は、日本人従業員が通常、宿泊サービス業務に付随して行う関連業務にも従事できます。
関連業務の例
・客室清掃
・ベッドメイキング
・館内販売・売店業務
・備品の点検・交換
・宿泊サービスに付随する館内業務
関連業務だけへ専ら従事させることはできません。
例えば、「客室清掃だけ」「ベッドメイキングだけ」の人員として宿泊分野の特定技能外国人を配置することは適切ではありません。主業務は宿泊サービスの提供に係る業務である必要があります。
宿泊分野・特定技能1号の取得要件
技能試験
宿泊分野特定技能1号評価試験への合格が原則必要です。
試験では、ホテル・旅館のフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等に必要な知識・技能が確認されます。
日本語能力
日本語教育の参照枠 A2.2相当以上
代表的な証明方法
・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
・日本語能力試験(JLPT)N4以上
N4は在留資格上の基準であり、実際の接客力を保証するものではありません。
フロント、電話、苦情対応、館内案内等を任せる場合は、採用面接で実際の会話力も確認することをおすすめします。
技能実習2号から特定技能「宿泊」へ変更する場合
「宿泊職種・接客・衛生管理作業」の技能実習2号を良好に修了した外国人は、宿泊分野の技能試験が免除されます。
また、技能実習2号を良好に修了している場合、職種・作業の種類にかかわらず、原則として特定技能1号の共通の日本語試験は免除されます。
宿泊職種・接客・衛生管理作業を良好修了
→ 宿泊分野技能試験:免除
→ 日本語試験:免除
それ以外の職種・作業の技能実習2号を良好修了
→ 宿泊分野技能試験:原則必要
→ 共通の日本語試験:免除
宿泊分野・特定技能2号の取得要件
宿泊分野は特定技能2号の対象です。2号では、単に宿泊施設で長期間働いただけでは足りず、熟練した技能と、複数の従業員を指導しながら宿泊サービス業務を行った経験が求められます。
① 宿泊分野特定技能2号評価試験に合格
② 日本語教育の参照枠 B1相当以上
③ 宿泊施設で、複数の従業員を指導しながら宿泊サービス業務に2年以上従事した実務経験
実務経験として確認されるのは、例えば同僚・部下等への作業指示を行いながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等に従事した経験です。
「ホテルで2年間勤務した」だけでは2号の実務経験要件を満たすとは限りません。
複数の従業員を指導しながら業務へ従事した経験を具体的に証明できることが重要です。
特定技能1号・2号の違い
| 比較 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 宿泊サービス業務 | 複数の従業員を指導しながら宿泊サービス業務 |
| 技能試験 | 1号評価試験 | 2号評価試験 |
| 日本語 | A2.2相当以上 | B1相当以上 |
| 実務経験 | 試験等で技能水準を確認 | 指導しながら宿泊サービス業務に2年以上 |
| 在留期間 | 原則通算5年以内 | 更新回数に一律の上限なし |
| 家族帯同 | 原則不可 | 要件を満たせば配偶者・子が可能 |
| 1号支援計画 | 必要 | 不要 |
受入れできるホテル・旅館の条件
宿泊分野で特定技能外国人を受け入れる施設は、旅館業法に基づく「旅館・ホテル営業」の許可を受けている必要があります。
| 営業形態 | 宿泊分野特定技能 |
|---|---|
| 旅館・ホテル営業 | 対象 |
| 簡易宿所営業 | 対象外 |
| 下宿営業 | 対象外 |
また、風俗営業法に規定する一定の施設に該当しないこと、特定技能外国人へ同法上の「接待」を行わせないことも要件です。
宿泊分野は直接雇用のみ|派遣はできません
宿泊分野の特定技能外国人は、ホテル・旅館を運営する受入れ企業が外国人本人と直接雇用契約を締結する必要があります。
人材派遣会社から特定技能外国人を受け入れることはできません
宿泊分野では派遣形態は認められていません。契約書上だけ「請負」「業務委託」として、実際にはホテル側が外国人へ直接指揮命令するような働かせ方にも注意が必要です。
宿泊分野特定技能協議会への加入が必要
特定技能外国人を受け入れるホテル・旅館は、国土交通省が設置する宿泊分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。
・在留資格申請時に、協議会構成員であることを明らかにする書類が必要
・入会・変更・退会等の手続はe-Gov電子申請で実施
・受入れ後も協議会・国土交通省等の調査や情報共有へ必要な協力を行う
・1号支援計画の全部を委託する登録支援機関も協議会構成員であることが必要
外国人の採用を決めた後に加入準備を始めると申請日程へ影響する可能性があるため、採用の早い段階で加入状況を確認しておくことをおすすめします。
特定技能1号では生活・就労支援が必要
1号特定技能外国人を受け入れる場合は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、法定支援を実施します。
・事前ガイダンス
・出入国時の送迎
・住居確保・生活契約の支援
・生活オリエンテーション
・公的手続等への同行・補助
・日本語学習機会の提供
・相談・苦情対応
・日本人との交流促進
・一定の場合の転職支援
・定期面談・必要な通報
自社で支援体制を整えることが難しい場合、支援計画の全部を登録支援機関へ委託することができます。
在留資格申請で準備する主な資料
外国人本人
申請書、写真、パスポート・在留カード関係、技能試験、日本語試験、技能実習関係資料、健康診断関係資料等。
受入れホテル・旅館
旅館・ホテル営業許可証の写し、宿泊分野の誓約書、協議会構成員であることを示す資料、雇用契約・報酬・会社関係資料等。
特定技能2号
2号評価試験、日本語能力、複数の従業員を指導しながら宿泊サービス業務に2年以上従事したことを証明する実務経験資料等。
宿泊分野で特定技能外国人を採用する流れ
STEP1 外国人に任せる宿泊業務を具体化
↓
STEP2 旅館・ホテル営業許可等の企業側要件を確認
↓
STEP3 本人の技能試験・日本語・技能実習歴を確認
↓
STEP4 宿泊分野特定技能協議会への加入状況を確認
↓
STEP5 雇用条件を決定し、直接雇用契約を締結
↓
STEP6 1号の場合は支援計画を作成
↓
STEP7 COE交付申請または在留資格変更許可申請
↓
STEP8 許可後に宿泊サービス業務で就労開始
↓
STEP9 支援・届出・更新を継続管理
特定技能「宿泊」と技人国、どちらを選ぶ?
| 比較 | 特定技能「宿泊」 | 技術・人文知識・国際業務 |
|---|---|---|
| 主な考え方 | 宿泊サービス業務を幅広く担当 | 専門知識・外国文化に基づく専門業務 |
| 学歴 | 大学卒業は必須ではない | 関連学歴・一定の実務経験等を確認 |
| 試験 | 技能・日本語試験が原則必要 | 特定技能評価試験は不要 |
| 清掃等 | 関連業務として付随的に可能 | 単純業務を主業務にはできない |
| 1号支援 | 必要 | 特定技能制度上の支援計画は不要 |
宿泊分野の特定技能でよくある質問
Q.特定技能外国人を客室清掃だけで雇用できますか?
宿泊分野では、客室清掃・ベッドメイキングは関連業務として付随的に担当できますが、清掃だけに専ら従事させることはできません。フロント、接客、レストランサービス等の宿泊サービス業務が主業務である必要があります。
Q.ホテルのレストランだけで働いてもらえますか?
宿泊分野は宿泊サービスの提供に係る業務を行う制度です。レストランサービスだけを担当させる採用では、具体的な業務・施設の事業内容から宿泊分野と外食業分野のどちらが適切か確認する必要があります。
Q.簡易宿所でも特定技能外国人を雇用できますか?
宿泊分野で受け入れるためには、旅館業法上の「旅館・ホテル営業」の許可が必要です。簡易宿所営業・下宿営業は宿泊分野の受入れ対象ではありません。
Q.特定技能外国人を派遣会社から受け入れられますか?
できません。宿泊分野の雇用形態は直接雇用に限られています。
Q.技能実習2号から特定技能「宿泊」へ変更できますか?
可能です。「宿泊職種・接客・衛生管理作業」の技能実習2号を良好に修了した場合は、宿泊分野の技能試験と共通の日本語試験が免除されます。別職種の技能実習2号良好修了者は、日本語試験は原則免除ですが、宿泊分野技能試験は原則必要です。
Q.特定技能2号は、ホテルで2年以上働けば取得できますか?
単なる勤務年数だけでは足りません。複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービス業務へ2年以上従事した実務経験が必要です。
Q.特定技能2号にも日本語要件がありますか?
あります。2026年の宿泊分野の運用方針では、2号について日本語教育の参照枠B1相当以上の水準が求められています。
Q.登録支援機関へ支援を全部委託できますか?
1号特定技能外国人支援計画の全部を登録支援機関へ委託できます。宿泊分野で全部の支援を受託する登録支援機関も、宿泊分野特定技能協議会の構成員である必要があります。
ホテル・旅館の外国人雇用をさらに詳しく
山形県のホテル・旅館で特定技能外国人を採用したい企業様へ
採用前の確認から在留資格申請・登録支援まで
川越政伸行政書士事務所では、ホテル・温泉旅館における特定技能外国人の採用についてご相談を承っています。
・初めて特定技能「宿泊」を受け入れたい
・自社施設が受入れ対象か確認したい
・客室清掃・配膳をどこまで任せられるか確認したい
・技能実習から特定技能へ変更したい
・特定技能1号から2号へ変更したい
・2号の2年以上の実務経験を確認したい
・技人国と特定技能のどちらが適切か知りたい
・海外から特定技能外国人を採用したい
・在留資格認定証明書交付申請を依頼したい
・在留資格変更・更新申請を依頼したい
・登録支援機関へ1号支援を委託したい
まとめ|宿泊分野は「仕事内容・施設・本人・企業」の4点を確認
宿泊分野の特定技能では、ホテル・旅館のフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の幅広い宿泊サービス業務に外国人を配置できます。
1号では、原則として宿泊分野特定技能1号評価試験とA2.2相当以上の日本語能力が必要です。2号では、2号評価試験に加え、B1相当以上の日本語能力と、複数の従業員を指導しながら宿泊サービス業務に2年以上従事した実務経験が必要です。
受入れ施設には旅館・ホテル営業許可が必要で、雇用は直接雇用に限られます。また、受入れ企業と、1号支援を全部受託する登録支援機関は宿泊分野特定技能協議会の構成員となる必要があります。
外国人へ内定を出してから制度上の問題に気付くことがないよう、採用前に「施設の営業許可」「本人の要件」「実際の仕事内容」「企業側の受入れ体制」を確認することが重要です。
ホテル・旅館で特定技能外国人を採用する前にご相談ください
仕事内容・試験・技能実習歴・営業許可・協議会・支援体制を確認し、採用から在留資格申請・受入れ後支援まで整理します。
お問い合わせはこちら川越政伸行政書士事務所
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