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特定技能外国人は派遣できる?農業・漁業分野の受入れ要件を徹底解説!
特定技能外国人を派遣で受け入れたい企業・農業法人・漁業事業者の方へ
【2026年版】特定技能外国人は派遣できる?
認められる分野と派遣元・派遣先の要件を解説
特定技能は原則「直接雇用」です。
例外的に派遣が認められる農業・漁業の条件、登録支援機関との違い、偽装請負まで行政書士が解説します。
まず結論|特定技能の派遣は「農業」と「漁業」のみ
✓ 特定技能外国人は原則として受入れ企業との直接雇用です
✓ 2026年現在、派遣形態が認められているのは農業分野・漁業分野の2分野のみ
✓ 製造・外食・飲食料品製造・宿泊・介護・建設等では派遣不可
✓ 「登録支援機関」であるだけでは特定技能外国人を派遣できません
✓ 派遣元には労働者派遣事業の許可と、特定技能制度上の追加要件が必要
✓ 派遣先の農業・漁業事業者にも法令遵守・雇用管理等の要件があります
✓ 「業務委託」「請負」と書いても、実態が派遣なら偽装請負となる可能性があります
人手不足対策として特定技能外国人を採用する企業が増える中、「人材派遣会社から特定技能外国人を受け入れたい」という相談も増えています。
しかし、特定技能は通常の人材派遣と同じ感覚で利用できる制度ではありません。
特に、どの分野で派遣が認められるか、派遣元がどのような事業者か、派遣先がどの要件を満たすかを確認しないまま契約を進めると、在留資格申請だけでなく労働者派遣法上の問題にもつながります。
「この派遣スキームで特定技能外国人を受け入れられる?」という企業様へ
分野、派遣元、派遣先、仕事内容、雇用契約、支援体制を確認し、特定技能制度上の要件を整理します。
特定技能は原則として「直接雇用」
特定技能外国人を受け入れる場合、基本となるのは、外国人本人と実際に働く受入れ企業が直接雇用契約を締結する方法です。
派遣による受入れが認められていない分野の例
・工業製品製造業
・飲食料品製造業
・外食業
・宿泊
・介護
・建設
・自動車整備
・林業
・その他、農業・漁業以外の特定産業分野
例えば、製造会社が「派遣会社に特定技能外国人を雇用してもらい、自社工場へ派遣してもらう」という形で特定技能外国人を受け入れることはできません。
また、登録支援機関が特定技能外国人を雇用し、取引先企業へ送り出すという仕組みにできるわけでもありません。
例外|派遣が認められるのは農業分野・漁業分野
農業分野
耕種農業・畜産農業等で、直接雇用と派遣の両方が認められています。季節による農繁期・農閑期の差や、作物ごとの収穫時期の違いに対応するため、例外的に派遣形態が認められています。
漁業分野
漁業・養殖業等でも、直接雇用と派遣が認められています。漁期や地域によって仕事量が変動するなど、分野特有の事情を踏まえた制度です。
2026年現在、出入国在留管理庁は、派遣形態が認められる特定産業分野を農業・漁業の2分野と明示しています。
特定技能外国人を派遣する仕組み
| 関係者 | 主な役割 |
|---|---|
| 派遣元事業者 | 特定技能外国人と雇用契約を締結し、給与を支払い、特定技能所属機関となる |
| 派遣先事業者 | 農業・漁業の現場で外国人を受け入れ、実際の業務について指揮命令する |
| 特定技能外国人 | 派遣元との雇用関係を維持したまま、定められた派遣先で対象業務に従事する |
雇用関係は派遣元事業者と外国人の間にあり、実際の仕事については派遣先事業者が指揮命令します。
労働者派遣事業を行うためには、原則として厚生労働大臣の労働者派遣事業許可が必要です。
登録支援機関なら特定技能外国人を派遣できる?
登録支援機関の登録だけでは派遣できません
登録支援機関は、1号特定技能外国人に対する生活・就労支援を受託する機関です。人材派遣を行うための資格ではありません。
特定技能外国人を雇用して派遣する場合は、
・労働者派遣事業を適法に行えること
・特定技能所属機関の通常の基準を満たすこと
・農業または漁業の分野別要件を満たすこと
・特定技能制度上の派遣元事業者に関する追加基準を満たすこと
が必要です。「登録支援機関+派遣許可があれば必ず派遣できる」という単純な仕組みでもありません。
派遣元事業者に求められる要件
派遣元は、特定技能外国人の雇用主であるため、通常の特定技能所属機関としての基準を満たす必要があります。
・労働・社会保険・税関係法令を遵守している
・特定技能雇用契約を適正に締結する
・日本人が同等の仕事に従事する場合と同等以上の報酬を支払う
・保証金・違約金等の不適切な契約がない
・1号の場合は適切な支援体制を確保する
・分野別協議会に加入し、必要な協力を行う
・労働者派遣法等を遵守する
さらに「派遣元」の特別な基準があります
一般的な人材派遣会社であるというだけでは足りません。特定技能基準省令では、派遣元について法令所定の追加基準が設けられており、4つの類型のいずれかに該当すること等が必要です。
例えば、
・農業・漁業またはその関連業務を実際に行っている事業者・団体
・地方公共団体や農業・漁業関係者等が資本面で一定の関与をしている事業者
・地方公共団体や分野関係者が経営・業務執行へ実質的に関与している事業者
などが制度上想定されています。
派遣許可を持つ一般的な人材派遣会社だから、自動的に農業・漁業の特定技能外国人を派遣できるわけではありません。
実際に派遣事業を設計する場合は、特定技能基準省令と分野別運用要領に基づく個別確認が必要です。
農業分野の派遣で特に確認すること
農業分野では、季節による作業量の変化や、作目ごとに農繁期が異なるという事情から、直接雇用に加えて派遣による受入れが認められています。
農業分野で確認する主な事項
・派遣元が農業現場の実情を把握しているか
・特定技能外国人を適正に雇用・管理できる体制があるか
・農業特定技能協議会の要件を満たしているか
・派遣先が労働者を一定期間雇用した経験を有するか
・または、所定の講習等を受けた者を派遣先責任者とするか
・派遣先も協議会や農林水産省等の調査へ必要な協力を行うか
農業分野の派遣制度は、単なる「農家向け人材派遣」ではなく、農業分野の実情を理解した派遣元によって適正かつ確実に受入れを行う仕組みとして設計されています。
漁業分野の派遣で特に確認すること
漁業分野でも、直接雇用と派遣の両方が認められています。
・派遣元が漁業・関連業務と関係する制度上の基準を満たす
・労働者派遣事業または船員派遣事業等の関係法令を遵守する
・漁業特定技能協議会の構成員になる
・派遣先も協議会に対し必要な協力を行う
・派遣先について所定の概要書・誓約書等を準備する
・派遣計画・就業条件を明確にする
漁業では船員派遣が関係するケースもあるため、陸上の一般的な労働者派遣と同じ手続きだけで判断しないことが重要です。
派遣先事業者にも要件があります
特定技能外国人を実際に受け入れる農家・農業法人・漁業者等についても、誰でも派遣先になれるわけではありません。
・労働関係法令を遵守している
・社会保険・税関係法令を適切に処理している
・一定期間内に同種業務の労働者を非自発的に離職させていない
・事業者側の責めに帰すべき事由による外国人の行方不明を発生させていない
・入管法・労働法令等の欠格事由に該当しない
・外国人を適切に指揮・管理できる体制がある
・農業・漁業それぞれの分野別基準を満たす
農業分野では、派遣先について労働者を一定期間雇用した経験または派遣先責任者講習等を受講した者を責任者とすることなどが求められます。
派遣で受け入れる場合に準備する主な契約・書類
派遣による受入れでは、通常の特定技能申請書類に加えて、派遣関係を確認する資料が必要です。
・特定技能外国人と派遣元との雇用契約
・派遣元と派遣先との労働者派遣契約
・労働者派遣契約書の写し
・派遣計画書
・就業条件明示書
・派遣先の概要書
・派遣先の法令遵守を確認する資料
・農業・漁業分野で求められる誓約書・協議会関係資料等
特定技能雇用契約では「派遣先」と「派遣期間」を定める必要があります。
外国人を採用してから自由に好きな事業所へ移動させる制度ではありません。
1号特定技能外国人への支援は誰が行う?
派遣の場合も、1号特定技能外国人には法定の支援が必要です。
特定技能所属機関である派遣元事業者が支援計画を作成し、適切に支援を実施する責任を負います。
・事前ガイダンス
・出入国時の送迎
・住居確保・生活契約の支援
・生活オリエンテーション
・公的手続等への同行・補助
・日本語学習機会の提供
・相談・苦情対応
・日本人との交流促進
・一定の場合の転職支援
・定期面談・必要な通報
自社で支援することが難しい場合は、支援計画の全部を登録支援機関へ委託できます。
ただし、委託したからといって派遣元事業者の雇用主としての責任までなくなるわけではありません。派遣元・派遣先・登録支援機関が連携して、就労・生活状況を把握する必要があります。
農業で複数の農家へ派遣することはできる?
農業分野の派遣制度は、作物や地域によって農繁期が異なるという特性を踏まえて設けられています。
春 野菜・育苗等の繁忙農家
↓
夏 果樹・野菜等の繁忙農家
↓
秋 収穫期を迎える農業事業者
というように、適切な派遣計画に基づき、複数の農業事業者で就労する仕組みを組むことは可能です。
ただし、派遣先・派遣期間・仕事内容・労働条件を適切に定め、必要な在留・派遣関係手続きを行うことが前提です。
「業務委託」「請負」にすれば派遣規制を避けられる?
契約書の名前ではなく「実際の働き方」で判断されます
契約書に「業務委託契約」「請負契約」と書いていても、実際には注文主が外国人へ直接、仕事の順番・方法・配置等を指示している場合、実態として労働者派遣と判断される可能性があります。
請負と労働者派遣の大きな違いは、注文主と労働者の間に指揮命令関係があるかという点です。
| 形態 | 指揮命令 |
|---|---|
| 労働者派遣 | 派遣先が派遣労働者へ指揮命令する |
| 適正な請負 | 注文主は請負会社の労働者へ直接指揮命令しない |
| 偽装請負 | 契約上は請負でも、実態は注文主が労働者へ指揮命令している |
農業・漁業以外の分野で派遣ができないからといって、契約名だけを「請負」に変えて同じ働かせ方をすることは避けなければなりません。
農業・漁業で特定技能外国人を派遣する流れ
STEP1 対象分野・仕事内容を確認
↓
STEP2 派遣元が特定技能の派遣元基準を満たすか確認
↓
STEP3 派遣先事業者の基準を確認
↓
STEP4 労働者派遣事業の許可・分野別手続きを確認
↓
STEP5 外国人と特定技能雇用契約を締結
↓
STEP6 派遣元・派遣先で労働者派遣契約を締結
↓
STEP7 1号特定技能外国人支援計画を作成
↓
STEP8 協議会・分野別書類を準備
↓
STEP9 COE交付申請・在留資格変更許可申請等
↓
STEP10 許可後に派遣開始・継続管理
派遣開始後も変更・届出管理が必要
特定技能外国人は、在留資格が許可された後も、派遣条件や受入れ状況を継続して管理する必要があります。
・派遣先の変更
・就業場所の変更
・派遣期間の変更
・雇用契約内容の変更
・支援計画の変更
・受入れ困難となった場合
・退職・雇用契約終了
・分野別協議会への報告が必要となる事項
変更内容によって、入管への随時届出、在留資格関係の手続き、労働者派遣法上の手続き、協議会への報告等が必要になることがあります。
農業では「直接雇用」と「派遣」のどちらを選ぶ?
| 比較 | 直接雇用 | 派遣 |
|---|---|---|
| 雇用主 | 農業事業者 | 派遣元事業者 |
| 向くケース | 年間を通して安定した仕事がある | 季節ごとに複数の農業事業者で人材需要が変動する |
| 制度 | 通常の特定技能受入れ基準 | 通常基準+派遣元・派遣先・労働者派遣法の追加要件 |
| 管理 | 勤務先が基本的に一つ | 派遣先・派遣期間・契約変更等の管理が重要 |
派遣契約を結ぶ前に、制度上の要件を確認
特定技能は、通常の人材派遣とは異なる追加要件があります。農業・漁業で派遣を検討している場合は、スキーム設計の段階から確認しましょう。
特定技能の派遣について相談する特定技能の派遣についてよくある質問
Q.製造業へ特定技能外国人を派遣できますか?
できません。2026年現在、特定技能で派遣形態が認められるのは農業・漁業の2分野です。工業製品製造業や飲食料品製造業等では、受入れ企業との直接雇用が必要です。
Q.ホテルへ特定技能外国人を派遣できますか?
宿泊分野では派遣形態は認められていません。ホテル・旅館が特定技能外国人本人と直接雇用契約を締結します。
Q.登録支援機関なら特定技能外国人を派遣できますか?
登録支援機関の登録だけでは派遣できません。農業・漁業で派遣を行う場合も、労働者派遣事業の許可、特定技能所属機関の基準、派遣元の追加基準、分野別要件等を満たす必要があります。
Q.農家が派遣会社を使わず直接雇用してもいいですか?
可能です。農業分野では直接雇用・派遣の両方が認められています。年間を通して仕事を確保できる場合は直接雇用も有力な選択肢です。
Q.複数の農家へ順番に派遣できますか?
制度上可能ですが、派遣先・派遣期間・仕事内容・就業条件等を適切に定め、必要な契約・在留・派遣関係手続きを行う必要があります。
Q.業務委託にすれば製造会社でも特定技能外国人を受け入れられますか?
契約名だけでは判断されません。委託先・注文主が外国人へ直接指揮命令する実態であれば、労働者派遣に該当し、偽装請負となる可能性があります。
Q.派遣先を変更するときは手続きが必要ですか?
変更内容に応じて、派遣契約の変更、入管への届出、分野別協議会への対応等が必要になる場合があります。外国人を別の派遣先へ移動させる前に確認しましょう。
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・特定技能外国人を派遣で受け入れられるか確認したい
・農業分野で派遣による外国人受入れを検討している
・派遣元・派遣先の要件を確認したい
・特定技能外国人を初めて採用したい
・在留資格申請を依頼したい
・登録支援機関へ支援を委託したい
・直接雇用と派遣のどちらがよいか確認したい
まとめ|特定技能の派遣は「農業・漁業だから自由にできる」制度ではありません
特定技能外国人は原則として直接雇用であり、2026年現在、例外的に派遣形態が認められているのは農業分野と漁業分野です。
ただし、農業・漁業だから無条件に派遣できるわけではありません。派遣元には労働者派遣事業の許可、特定技能所属機関としての基準、派遣元固有の要件、協議会への対応等が必要です。
派遣先にも法令遵守・雇用管理等の要件があり、外国人の派遣先・派遣期間・仕事内容・労働条件を適切に管理する必要があります。
また、農業・漁業以外の分野で、「請負」「業務委託」という名称だけを使って実質的な派遣を行うことはできません。契約締結・外国人の配置前に、実際の指揮命令関係まで含めて受入れスキームを確認することが重要です。
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