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2026-08-08 08:00:00

特定技能外国人は派遣できる?農業・漁業分野の受入れ要件を徹底解説!

【2026年版】特定技能外国人は派遣できる?認められる分野と受入れ要件を解説

人手不足対策として、外国人材の在留資格「特定技能」を活用する企業が増えています。

その中で、事業者の方からよく寄せられるのが、

「特定技能外国人を派遣社員として受け入れることはできますか?」

という質問です。

結論からいうと、特定技能外国人は原則として受入れ企業との直接雇用が必要です。ただし、農業分野と漁業分野に限り、一定の条件を満たせば派遣による受入れが認められています。

この記事では、特定技能外国人の派遣が認められる分野、派遣元・派遣先の要件、受入れ時の注意点について分かりやすく解説します。

※この記事は、2026年8月時点で確認できる制度に基づいて作成しています。

 

特定技能は原則として直接雇用

特定技能外国人を受け入れる場合、基本となるのは、外国人本人と受入れ企業が直接雇用契約を結ぶ方法です。

例えば、次のような分野では、原則として人材派遣会社から特定技能外国人の派遣を受けることはできません

  • 外食業
  • 飲食料品製造業
  • 宿泊業
  • 建設業
  • 介護
  • 工業製品製造業
  • 自動車整備業

これらの分野で特定技能外国人を受け入れる場合は、実際に外国人が働く企業が雇用主となり、給与の支払いや労務管理などを行います。

派遣会社や登録支援機関が外国人を雇用し、他の企業へ派遣するという方法は、原則として認められません。

 

特定技能の派遣が認められるのは農業と漁業

現行制度において、特定技能外国人の派遣が認められているのは、次の2分野のみです。

  1. 農業分野
  2. 漁業分野

農業や漁業は、季節によって仕事量が大きく変化します。

例えば、農業では収穫時期に多くの人材が必要になる一方、農閑期には仕事が少なくなることがあります。漁業についても、漁期や水揚げの状況によって必要な労働力が変わります。

このような業界特有の事情から、農業と漁業については、季節や地域に応じて労働力を移動させられる派遣形態が例外的に認められています。

 

特定技能外国人の派遣の仕組み

特定技能外国人を派遣で受け入れる場合、主に次の三者が関係します。

関係者 主な役割
派遣元事業者 特定技能外国人と雇用契約を結び、給与を支払う
派遣先事業者 外国人が実際に働く農業・漁業の事業者
特定技能外国人 派遣先から業務上の指示を受けて働く

法律上の雇用主は派遣元事業者ですが、日々の作業については派遣先事業者の指揮命令を受けます。

労働者派遣事業を行うためには、原則として厚生労働大臣による労働者派遣事業の許可が必要です。単に登録支援機関として登録されているだけでは、特定技能外国人を他社へ派遣することはできません。

 

派遣元事業者に求められる要件

特定技能外国人を雇用して派遣する事業者は、通常の特定技能所属機関としての要件に加えて、特別な基準を満たさなければなりません。

主な要件として、次のようなものがあります。

  • 適法に労働者派遣事業を行えること
  • 農業または漁業の業務や、関連する業務を行っている事業者・団体であること
  • 農業・漁業の現場を理解し、適切に外国人を雇用・管理できること
  • 労働法令、社会保険、税金に関する法令を守っていること
  • 特定技能外国人に対して、日本人と同等以上の報酬を支払うこと
  • 分野ごとに設置された協議会に加入し、必要な協力を行うこと

一般的な人材派遣会社であるというだけでは、農業・漁業分野の特定技能外国人を派遣できるとは限りません。

派遣元事業者には、農業や漁業の現場を把握し、特定技能外国人の受入れを適正かつ確実に行える体制が求められます。

 

派遣先事業者にも要件がある

外国人を実際に受け入れる農家、農業法人、漁業者などの派遣先にも、一定の要件があります。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 労働関係法令を遵守していること
  • 社会保険や税金に関する義務を果たしていること
  • 過去1年以内に、特定技能外国人と同種の業務を行っていた労働者を離職させていないこと
  • 事業者側の責任による外国人の行方不明者を発生させていないこと
  • 入管法令や労働法令に関する欠格事由に該当しないこと
  • 外国人を適切に指導・管理できる責任者を配置すること

農業分野では、派遣先事業者についても、一定期間労働者を雇用した経験があることや、所定の講習を受けた人を派遣先責任者とすることなどが求められます。

 

1号特定技能外国人への支援は誰が行う?

1号特定技能外国人を受け入れる場合には、生活や仕事に関する支援を行わなければなりません。

派遣の場合、原則として雇用主である派遣元事業者が支援の責任を負います。

主な支援内容には、次のようなものがあります。

  • 入国前の事前ガイダンス
  • 空港などへの送迎
  • 住居の確保や生活契約の支援
  • 日本での生活ルールに関する説明
  • 日本語学習の機会の提供
  • 外国人からの相談・苦情への対応
  • 定期的な面談

派遣元事業者が自社で支援を行うことが難しい場合は、支援計画の全部を登録支援機関に委託することもできます。

ただし、登録支援機関への委託後も、雇用主としての責任がすべてなくなるわけではありません。派遣元・派遣先・登録支援機関が連携し、外国人の就労状況や生活状況を把握することが重要です。

 

複数の農家へ派遣することはできる?

農業分野では、派遣元事業者に雇用された特定技能外国人が、季節や作物の収穫時期に応じて、複数の農業事業者で働くことが可能です。

例えば、

  • 春は野菜農家
  • 夏は果樹農家
  • 秋は米農家

というように、農繁期が異なる複数の地域や農家へ派遣する方法が考えられます。

ただし、自由に勤務先を変更できるわけではありません。派遣先、業務内容、就業場所、労働条件などを適切に定め、入管関係の申請や届出、労働者派遣法上の手続きを行う必要があります。

 

業務委託契約にすれば派遣できる?

農業・漁業以外の分野で、特定技能外国人を「業務委託」や「請負」という形式で他社に送り、送り先の会社が外国人へ直接仕事の指示をするケースには注意が必要です。

契約書の名称が業務委託契約や請負契約であっても、実際には送り先企業が外国人へ直接指示を出している場合、違法な労働者派遣や「偽装請負」と判断される可能性があります。

労働者派遣に該当するかどうかは、契約書の名称ではなく、実際の働き方や指揮命令関係によって判断されます。

 

特定技能外国人を派遣で受け入れる流れ

農業・漁業分野で派遣による受入れを行う場合、一般的には次のように手続きを進めます。

1.対象となる分野・業務を確認する

外国人に担当してもらう業務が、農業分野または漁業分野の特定技能業務に該当するか確認します。

2.派遣元・派遣先の要件を確認する

労働者派遣事業の許可、法令遵守状況、雇用管理体制、協議会への加入などを確認します。

3.雇用契約と派遣契約を締結する

派遣元と外国人との間で雇用契約を結び、派遣元と派遣先との間で労働者派遣契約を締結します。

4.支援計画を作成する

1号特定技能外国人の場合は、生活・就労支援の内容を定めた1号特定技能外国人支援計画を作成します。

5.在留資格の申請を行う

海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書交付申請、日本国内で在留資格を変更する場合は在留資格変更許可申請を行います。

6.受入れ開始後の管理を行う

受入れ開始後も、雇用状況、就労場所、報酬、支援の実施状況などを適切に管理し、必要な届出や報告を行います。

 

特定技能の派遣に関するよくある質問

Q.製造業で特定技能外国人を派遣してもらうことはできますか?

原則としてできません。

工業製品製造業や飲食料品製造業で特定技能外国人を受け入れる場合は、実際に外国人が働く企業との直接雇用が必要です。

Q.登録支援機関であれば外国人を派遣できますか?

登録支援機関の登録だけでは派遣できません。

登録支援機関は1号特定技能外国人の支援を行う機関です。外国人を雇用して他社へ派遣する場合は、労働者派遣事業の許可や、特定技能制度上の追加要件を満たす必要があります。

Q.農家が派遣会社を通さず直接雇用することもできますか?

可能です。

農業分野では、直接雇用と派遣の両方が認められています。年間を通して安定した仕事がある場合は直接雇用、季節によって仕事量が変わる場合は派遣を検討するなど、事業内容に応じて選択できます。

Q.派遣先を変更する場合は手続きが必要ですか?

派遣先や就業場所、業務内容などが変わる場合には、契約の変更や入管への届出などが必要になることがあります。

変更内容によって必要な手続きが異なるため、外国人を別の農家や漁業者へ移動させる前に確認することが重要です。

 

まとめ

特定技能外国人は、原則として受入れ企業との直接雇用が必要です。

例外的に派遣による受入れが認められているのは、季節による仕事量の変動が大きい農業分野と漁業分野です。

ただし、農業・漁業であれば無条件に派遣できるわけではありません。

派遣元事業者には、労働者派遣事業の許可や特定技能所属機関としての体制が必要です。派遣先事業者についても、法令遵守、雇用管理、責任者の配置などの要件が設けられています。

また、業務委託や請負という名称であっても、実態が労働者派遣であれば、偽装請負や違法派遣と判断される可能性があります。

特定技能外国人の派遣を検討している場合は、契約を締結したり外国人を配置したりする前に、派遣元・派遣先・外国人本人の要件を確認し、適正な手続きを進めることが大切です。

2026.08.08 Saturday