技人国の実務経験10年はどう数える?複数社・空白期間・学校の期間
大学卒業等の学歴要件ではなく「実務経験」で技人国を申請する方へ
技人国の実務経験10年はどう数える?複数社・空白期間・学校の期間を解説
「10年以上働いているから大丈夫」と思っていませんか?
重要なのは、何年働いたかだけではなく「何の仕事をしていた期間なのか」です。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうち、 「技術・人文知識」に該当する専門的な仕事では、 大学等の学歴による基準を満たしていない場合でも、 10年以上の実務経験によって 基準を満たせる場合があります。
ただし、社会人として働いた期間を すべてそのまま合計すればよいわけではありません。
技人国の実務経験10年を考えるときに重要なのは、 単純な勤続年数ではなく、 日本で行う予定の専門業務に関連する業務に従事していた期間 です。
また、一定の場合には、 大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程、 専修学校の専門課程等で、 関連する科目を専攻した期間を含めることができます。
したがって、
- 複数の会社で勤務している
- 転職と転職の間に空白期間がある
- 学校で関連分野を学んでいる
- 過去の仕事と現在予定している仕事の職種名が違う
といった場合でも、 一つずつ期間と仕事内容を整理して判断することが重要です。
- 複数の会社の職歴を合わせると10年以上になる
- 転職の間に数か月の空白期間がある
- 実務経験が9年程度しかない
- 高校・大学・専門学校で関連分野を学んでいる
- アルバイトや契約社員として働いた期間がある
- 海外で働いた期間を実務経験に入れたい
- 途中で職種や部署が変わっている
- 10年間まったく同じ仕事をしていない
- 実務経験10年の計算方法が分からない
- 外国人を採用する前に要件を確認したい
実務経験が10年以上あるか確認します
履歴書・職歴・学校での専攻内容・日本で担当する予定業務を確認し、 どの期間を実務経験として説明できるか整理します。
初回無料相談を申し込む 電話 0237-86-7198技人国で実務経験10年が必要になるのはどんな場合?
在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうち、 自然科学または人文科学の分野に属する 技術・知識を必要とする仕事に従事する場合には、 原則として次のような基準があります。
| ルート | 主な考え方 |
|---|---|
| 大学等 | 予定する業務に関連する科目を専攻して大学を卒業した場合等 |
| 日本の専門学校 | 関連科目を専攻し、一定の専門課程を修了した場合等 |
| 実務経験 | 関連する業務について10年以上の実務経験を有する場合 |
| 一定のIT資格等 | 法務大臣が定める情報処理技術に関する試験・資格等による特例 |
そのため、 大学卒業等の学歴による基準を満たしていない外国人でも、 関連する実務経験を十分に立証できれば、 実務経験による申請を検討できます。
基本①|複数の会社の実務経験は合算できる?
実務経験10年は、 一つの会社だけで10年間勤務している必要があるわけではありません。
複数の会社で、 日本で予定している仕事と関連する業務を経験している場合には、 それぞれの期間を整理して実務経験を検討します。
| 勤務先 | 仕事内容 | 期間 |
|---|---|---|
| A社 | 海外営業 | 4年6か月 |
| B社 | 貿易業務 | 3年2か月 |
| C社 | 海外営業・市場調査 | 2年8か月 |
| 合計 | 10年4か月 | |
このように、それぞれの会社での業務に関連性があり、 各期間を証明できる場合には、 複数社の経験を合わせて検討することができます。
複数社の期間を足す場合には、 A社・B社・C社それぞれについて、 在職期間と担当業務を証明できる資料を準備することが重要です。
基本②|転職と転職の間の空白期間は入る?
例えば、
- A社を退職して次の会社へ入るまで3か月あった
- 帰国して半年間仕事をしていなかった
- 就職活動のため無職だった期間がある
といったケースがあります。
実務経験として問題になるのは、 関連する業務に実際に従事していた期間です。
そのため、 仕事をしていなかった単なる空白期間については、 その期間自体を関連業務の実務経験として計算するのではなく、 実際に業務へ従事していた期間を積み上げて確認する 必要があります。
A社 5年間勤務
↓
無職 6か月
↓
B社 5年間勤務
この場合、 「最初の入社から現在まで10年6か月経過した」 という計算ではなく、 A社5年+B社5年=実務経験10年 というように実際の勤務期間を整理します。
基本③|10年間まったく同じ仕事をしている必要はある?
ありません。
出入国在留管理庁は、 「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務そのものに 10年間従事していることまで求めるものではなく、 関連する業務に従事していた期間も実務経験に含まれる としています。
例えば、日本で海外営業を担当する予定の外国人が、 過去に、
- 海外営業
- 輸出入業務
- 貿易実務
- 海外顧客との商談
- 市場調査
- 販売企画
- 海外取引先との調整
など、関連する複数の仕事を経験している場合には、 それぞれの仕事内容を確認して実務経験を検討します。
重要なのは会社で付けられていた肩書だけではなく、 本人が実際にどのような仕事をしていたのか、 日本で行う予定の仕事とどのように関連するのかです。
基本④|学校で勉強した期間も10年に入る?
ここは実務経験10年による申請で非常に重要なポイントです。
10年以上の実務経験には、 一定の場合、
- 大学
- 高等専門学校
- 高等学校
- 中等教育学校の後期課程
- 専修学校の専門課程
などで、 申請する技術・知識に関連する科目を専攻した期間 を含めることができます。
関連分野を学校で専攻した期間 3年
+
卒業後の関連実務経験 7年3か月
この場合、 学校で学んだ内容・期間が基準に該当するか確認したうえで、 合計10年3か月として検討できる可能性があります。
申請予定の仕事に必要な技術・知識と 関連する科目を専攻していた期間であることが重要です。 そのため、卒業証明書だけでなく、 成績証明書・履修科目等の資料を確認する場合があります。
「実務経験9年だから無理」とは限りません
会社での実務経験を計算すると、
「9年しかない」
「9年6か月しかない」
という場合があります。
しかし、 学校で関連科目を専攻していた期間がある場合には、 その期間を含めて10年以上になる可能性があります。
そのため、 勤務期間だけを見て申請を諦めるのではなく、 学歴・専攻・履修科目まで確認すること が重要です。
学校と仕事を同時にしていた期間はどう考える?
例えば、 学校へ通いながら同じ期間に仕事をしていたケースがあります。
このような場合には、 「学校で2年+同じ2年間の仕事で2年=4年」 のように、 同じ暦上の期間を単純に二重加算して10年と考えるのではなく、 それぞれの時期・活動内容を時系列で整理して確認することが重要です。
実際の申請では、 学校の在籍期間、勤務期間、勤務時間、仕事内容、 履修内容等を確認して個別に整理します。
アルバイトの経験は10年に含められる?
「アルバイトだったから絶対に実務経験にならない」 「アルバイトでも必ず実務経験になる」 と一律に判断するのは適切ではありません。
出入国在留管理庁の公表資料では、 実務経験について重要なのは、 関連する業務に従事した期間を証明できること とされています。
そのため、アルバイト・パート等の期間がある場合には、
- 実際の仕事内容
- 勤務期間
- 勤務実態
- 勤務時間
- 予定する業務との関連性
- 勤務先から証明書を取得できるか
などを確認して個別に判断する必要があります。
「アルバイトで10年間働いたから必ず10年の実務経験になる」 という意味ではありません。 雇用形態だけではなく、 実際にどのような関連業務にどの程度従事していたのか、 客観的に証明できるかを確認することが重要です。
契約社員・派遣社員の期間は?
契約社員・派遣社員等で勤務していた場合も、 雇用形態の名称だけで判断するのではなく、 実際に担当した業務とその期間 を確認します。
例えば、 派遣会社に10年間在籍していたとしても、 その10年間すべてについて 関連する専門業務に従事していたかは別問題です。
派遣先が複数ある場合には、
- どの派遣先で
- いつからいつまで
- どのような仕事をしていたか
まで整理しておくことが重要です。
海外で働いた期間も実務経験に入る?
実務経験は日本国内での勤務経験だけに限定されていません。
母国や第三国の企業で関連する業務に従事していた場合には、 その海外での職歴についても実務経験として検討できます。
例えば、
- ベトナム企業での海外営業
- 中国企業での機械設計
- フィリピン企業でのITエンジニア
- インド企業でのシステム開発
などの経験について、 日本で行う予定の業務との関連性を確認します。
外国語で作成された証明書を提出する場合には、 日本語訳の準備も必要です。
途中で部署や仕事内容が変わった場合は?
同じ会社に10年間勤務していても、 10年間ずっと同じ仕事内容とは限りません。
2015年~2018年 製造作業
2018年~2021年 品質管理
2021年~2026年 技術開発
この場合、 単純に 「同じ会社に11年間勤務したので実務経験11年」 と判断するのではなく、 日本で予定している仕事に関連する業務が どの期間なのかを確認する必要があります。
在職証明書についても、 単に 「2015年から2026年まで勤務」 だけでなく、 それぞれの期間に担当した仕事内容 が分かるようにすることが重要です。
実務経験10年の計算で「職歴の重複」に注意
複数の会社で同時期に仕事をしていた場合には、 履歴書上の数字だけを単純に足すと、 実際の経過期間より長くなってしまうことがあります。
A社 2018年1月~2023年12月
B社 2023年1月~2026年12月
A社6年+B社4年だから「10年」 と機械的に判断するのではなく、 2023年の重複期間について、 それぞれの勤務実態・仕事内容等を確認する必要があります。
実務経験による申請では、 履歴書を年月順に並べ、重複期間・空白期間を確認する ことをおすすめします。
実務経験10年は「年月」まで確認する
「2016年から2026年まで働いているから10年」 というだけでは正確ではありません。
例えば、
2016年12月1日入社
2026年8月1日現在
であれば、まだ10年間経過していません。
そのため、
- 入社年月日
- 退職年月日
- 部署異動日
- 仕事内容が変更された時期
- 転職間の空白期間
などを可能な限り具体的に確認します。
履歴書では10年以上に見えていても、 在職証明書を集めて計算すると 10年に満たないことがあります。
実務経験10年を証明する主な資料
実務経験を利用して技人国を申請する場合には、 単に本人が職歴を申告するだけではなく、 関連業務に従事した期間を証明する資料が重要です。
主に、
- 履歴書
- 在職証明書
- 実務経験証明書
- 職歴証明書
- 学校が発行する在籍・専攻・履修内容等の証明資料
- 案件に応じた補足資料
などを確認します。
特に履歴書には、 職務に従事した機関・仕事内容・期間 を明確に記載することが重要です。
10年間の数え方が分かっても、 その期間を入管へ証明できなければ 実務経験による申請が難しくなることがあります。
実務経験証明書の書き方、 勤務期間・仕事内容の記載方法、 前の会社が廃業している場合については、 次の専門ページで詳しく解説しています。
実務経験証明書が取得できない期間は?
例えば履歴書上は11年間の職歴があっても、 そのうち3年間について勤務先から 在職証明書等を取得できない場合があります。
この場合、 単純に 「履歴書には11年書いてあるから10年以上」 と判断するのではなく、 実際にどの期間をどの資料で立証できるのか を確認する必要があります。
特に、
- 会社が廃業している
- 以前の会社と連絡が取れない
- 証明書に仕事内容が記載されていない
- 古い会社で人事記録が残っていない
といった場合には、 申請前の資料確認が非常に重要です。
国際業務の場合は原則「3年以上」
「技術・人文知識・国際業務」という一つの在留資格でも、 すべての仕事について10年が必要なわけではありません。
外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする 「国際業務」に該当する場合には、 原則として、 従事しようとする業務に関連する業務について 3年以上の実務経験 が基準となります。
例えば、
- 翻訳
- 通訳
- 語学の指導
- 広報
- 宣伝
- 海外取引業務
- 服飾・室内装飾に係るデザイン
- 商品開発
などが挙げられています。
職種名だけではなく、日本で実際に担当する仕事内容を確認して、 「技術・人文知識」なのか「国際業務」なのかを判断する必要があります。
実務経験10年の数え方でよくある質問
Q.複数の会社の経験を合計できますか?
関連する業務について複数の勤務先で経験している場合には、 各社での仕事内容・勤務期間を確認して合計することができます。 各勤務先について実務経験を裏付ける資料を準備することが重要です。
Q.転職の間の無職期間も10年に入りますか?
実務経験として確認するのは、 関連する業務に実際に従事していた期間です。 仕事をしていない空白期間については、 実際の勤務期間とは分けて計算する必要があります。
Q.高校で関連分野を学んだ期間は入りますか?
一定の場合には、 高等学校等で申請する技術・知識に関連する科目を 専攻した期間を含めることができます。 実際には専攻・履修内容を確認します。
Q.専門学校で勉強した期間も入りますか?
一定の専修学校の専門課程で、 関連する技術・知識について科目を専攻した期間は、 実務経験期間に含めて検討できる場合があります。
Q.実務経験が9年しかありません。
学校で関連科目を専攻した期間があれば、 その教育期間を含めて10年以上になる可能性があります。 勤務歴だけで判断せず、学歴・専攻内容まで確認することをおすすめします。
Q.10年間ずっと同じ会社で働いている必要がありますか?
ありません。 複数の会社での関連業務について、 各期間を証明できれば合計して検討できます。
Q.10年間ずっと同じ仕事でなければダメですか?
全く同一の業務を10年間続けていることまで求められているわけではありません。 日本で予定している仕事に関連する業務についても、 実務経験として検討されます。
Q.アルバイト期間は実務経験に入りますか?
雇用形態だけで一律に判断することはできません。 仕事内容、勤務期間、勤務実態、予定業務との関連性、 証明資料等を確認して個別に検討する必要があります。
Q.海外で働いた期間でも大丈夫ですか?
海外企業での関連する実務経験についても検討できます。 勤務期間・担当業務を証明する資料を準備し、 外国語の資料には日本語訳を添付します。
Q.同じ会社に10年いれば必ず要件を満たしますか?
必ずしもそうではありません。 同じ会社に10年間在籍していても、 そのうち日本で予定している仕事と関連する業務に従事していた期間が どの程度あるのかを確認する必要があります。
外国人を採用する企業様へ|採用前に職歴を計算してください
実務経験10年で技人国を申請する場合、 外国人を採用してから職歴を確認するのではなく、 採用を決定する前に実務経験を確認すること をおすすめします。
例えば、
- 履歴書では10年以上あるが証明書が取れない
- 10年のうち半分は予定業務と関係のない仕事だった
- 転職間の空白を含めて10年と計算していた
- 勤務先が廃業している
- 在職証明書に仕事内容が書かれていない
といったことが採用後に分かると、 外国人の就労開始時期や採用計画に影響する可能性があります。
外国人本人の履歴書だけでなく、 可能であれば 実務経験証明書・在職証明書まで確認してから 申請準備を進めること が重要です。
「10年あるか分からない」という段階から確認します
複数社の職歴、空白期間、学校で学んだ期間、 海外での職歴などを整理して、 実務経験による技人国申請を検討できるか確認します。
実務経験について初回無料相談する 0237-86-7198川越政伸行政書士事務所の技人国申請サポート
川越政伸行政書士事務所では、 実務経験を利用した「技術・人文知識・国際業務」の申請について、
- 外国人本人の学歴確認
- 職歴・勤務期間の確認
- 実務経験10年の期間整理
- 複数社の職歴整理
- 空白期間・重複期間の確認
- 学校で学んだ期間の確認
- 過去の仕事内容の確認
- 日本で担当する仕事内容との関連性確認
- 実務経験証明書・在職証明書の確認
- 外国語資料・日本語訳の確認
- 受入れ企業側の必要書類確認
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 案件に応じた説明資料の作成
など、外国人本人と受入れ企業の状況を確認しながら 申請準備を進めます。
技人国・実務経験についてあわせて確認
実務経験10年での技人国申請はお任せください
山形県・東北地方を中心に、日本全国・海外からご相談対応。
実務経験の期間計算から証明資料の確認、 在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請まで サポートします。
