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2026-08-06 18:00:00

【2026年最新】永住許可申請の年収要件が見直しへ|「日本人世帯の平均収入を上回る水準」とは?

2026年8月4日、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン改定案」を公表しました。

今回の改定案では、永住許可申請の年収について、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に、継続して達しているかを審査上の考慮要素とする方針が示されています。

これまで永住許可申請では、「年収300万円前後」が実務上の一つの目安として紹介されることがありました。しかし、改定案が正式に施行された場合、単純に年収300万円を超えているかではなく、家族構成に応じた世帯全体の収入が、より重視されることになります。

なお、今回公表された内容は、現時点では正式決定前の「改定案」です。本記事では、2026年8月7日時点で公表されている内容を分かりやすく解説します。

新しい年収要件はどのような内容?

改定案では、永住許可の「独立生計要件」について、現在だけでなく将来も安定した生活を続けられることを確認するため、日本人と同等水準以上の経済条件を求めることが明記されています。

具体的には、原則として申請時点における世帯年収が、

世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準

に継続して達しているかが考慮されます。

ここで重要なのは、申請者本人だけの年収ではなく、原則として「同一生計の世帯」を単位として審査する点です。

「年収575万円以上」が必要になる?

新しい年収要件について、「今後は年収575万円以上が必要になる」といった情報も見られます。

しかし、2026年8月7日時点では、出入国在留管理庁から、

  • 単身者はいくら以上
  • 夫婦世帯はいくら以上
  • 子どもがいる世帯はいくら以上

という具体的な基準額は公表されていません。

また、どの統計の平均収入を使用するのか、毎年基準額が変わるのかについても、改定案では明確にされていません。

したがって、現段階で「すべての申請者に年収575万円以上が必要」と断定するのは正確ではありません。

改定案が示しているのは、世帯人数ごとに、日本人世帯の平均収入を上回る水準を設定するという考え方です。

申請者本人と家族の収入は合算できる?

改定案では、申請者と住居や家計を共にしている家族について、原則として収入を合算して世帯年収を計算します。

例えば、夫婦がそれぞれ就労可能な在留資格を持ち、継続して働いている場合には、夫婦の収入を合算して判断される可能性があります。

一方、単身世帯の場合は、申請者本人の年収がそのまま世帯年収になります。

ただし、家族であれば、どのような収入でも合算できるわけではありません。

「家族滞在」のアルバイト収入は原則として合算されない

特に注意が必要なのが、「家族滞在」の在留資格で生活している配偶者や子どものアルバイト収入です。

家族滞在の方は、資格外活動許可を受けることで、原則として週28時間以内のアルバイトができます。

しかし、改定案では、家族滞在など就労を目的としない在留資格の方が、資格外活動許可によって得た収入については、世帯年収に合算しないとされています。

例えば、申請者本人の年収が350万円、家族滞在の配偶者のアルバイト収入が100万円の場合でも、単純に世帯年収450万円として評価されない可能性があります。

配偶者の収入を含めて申請を考えている方は、その配偶者がどの在留資格で働いているのかを確認する必要があります。

海外に住んでいる扶養親族も世帯人数に含まれる

改定案では、申請者が扶養している親族について、同居していなくても世帯人数に加えるとされています。

さらに、外国に住んでいる扶養親族も対象に含まれます。

例えば、日本で申請者、配偶者、子どもの3人で暮らしていても、海外に住む両親を扶養している場合には、その両親を含めた人数を基準として、必要な年収水準が判断される可能性があります。

税法上、多くの海外親族を扶養に入れている方は、永住許可申請前に扶養関係や送金状況を整理しておくことが重要です。

世帯人数が5人以上の場合は必要額が加算される

申請者の世帯人数が5人以上になる場合は、単に世帯人数別の平均収入と比較するだけではありません。

改定案では、世帯人数に応じた年収水準に、生活費などの増加分を加算するとされています。

ただし、具体的にいくら加算されるのかは、現時点では公表されていません。

扶養する家族が多い方については、これまで以上に高い世帯年収が求められる可能性があります。

1年間だけ年収が高ければよい?

改定案では、年収水準に「継続して達しているか」を確認するとされています。

そのため、申請直前の1年間だけ収入が高ければよいとは限りません。

例えば、次のような事情がある場合には、収入が安定しているかを慎重に確認する必要があります。

  • 過去数年間に収入が低い年がある
  • 転職したばかりである
  • 長期間の無職期間がある
  • 収入の増減が大きい
  • 個人事業の所得が安定していない

ただし、「何年間にわたって新しい年収水準を満たす必要があるのか」は、今回の改定案では具体的に示されていません。

課税証明書、納税証明書、源泉徴収票、確定申告書などから、継続的な収入を説明できるようにしておくことが大切です。

日本人や永住者の配偶者にも同じ年収要件が適用される?

日本人、永住者または特別永住者の配偶者や子については、法律上、「独立生計要件」への適合は求められません。

そのため、今回示された日本人世帯の平均収入を上回る年収水準が、一般の就労資格から申請する方と全く同じ形で必須条件になるとは限りません。

ただし、改定案では、独立生計要件が免除される方であっても、世帯が現に公共の負担となっている場合や、将来そのおそれが現実的にある場合には、審査上マイナスに評価することがあるとされています。

したがって、日本人の配偶者などであっても、収入や生活状況がまったく確認されないわけではありません。

年収だけでなく、将来の年金額も審査対象に

今回の改定案では、年収だけでなく、将来受け取ることができる年金の見込額についても、新たな基準が示されています。

申請時点の年齢、これまでの年金加入期間、平均年収、現在の年収などから将来の年金額を推計し、基準となる年金水準に達しているかを確認する方針です。

年金額が不足する場合でも、不足分を補うことができる預貯金などの金融資産があれば、考慮されるとされています。

今後は、現在の年収だけでなく、年金の加入記録や将来の生活設計も重要になります。

新しい年収要件はいつから適用される?

改定案全体は、原則として2027年4月1日以降の永住許可申請から適用する予定です。

ただし、収入に関する部分については先行して施行され、概要資料では2026年10月からの施行予定とされています。

さらに、正式なガイドライン案では、収入に関する要素について、

  • 改定日の6か月前以降に申請していること
  • 改定日時点で申請が審査中であること

の両方に該当する案件にも適用するとされています。

そのため、仮に2026年10月に予定どおり改定された場合、2026年4月以降に申請し、改定時点でも審査中の案件が、新しい年収基準の対象となる可能性があります。

ただし、施行日や具体的な適用方法は、今後変更される可能性があります。

今から確認しておきたいこと

永住許可申請を検討している方は、まず次の点を確認しておきましょう。

  • 申請者本人の直近数年間の収入
  • 同一世帯の家族の在留資格と収入
  • 家族滞在の方の収入を除いた場合の世帯年収
  • 日本国内と海外にいる扶養親族の人数
  • 税金、健康保険料、年金の納付状況
  • ねんきん定期便などに記載された年金加入記録
  • 預貯金などの金融資産

新しい制度では、単に「本人の年収が300万円以上あるか」だけでは判断できません。

世帯人数、家族の在留資格、海外の扶養親族、将来の年金額まで含めて、申請できる状態にあるかを確認する必要があります。

まとめ

今回公表された永住許可ガイドライン改定案では、年収について、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかを確認する方針が示されました。

主なポイントは次のとおりです。

  • 申請者本人ではなく、原則として世帯単位で判断される
  • 同一生計の家族の収入は合算できる場合がある
  • 家族滞在の資格外活動による収入は原則として合算されない
  • 海外に住む扶養親族も世帯人数に含まれる
  • 世帯人数が5人以上の場合は必要な年収水準が加算される
  • 具体的な年収額はまだ公表されていない
  • 収入に関する要素は2026年10月から先行適用される予定
  • 申請済みの案件にも適用される可能性がある

今回の内容は、2026年8月4日に公表された改定案であり、意見募集は同年9月4日午前0時まで行われています。今後、提出された意見などを踏まえて、内容が修正される可能性があります。

「現在の年収で永住申請ができるのか」「配偶者の収入を合算できるのか」「海外の両親を扶養している場合はどうなるのか」など、判断が難しい場合は、正式な基準が確定した後の最新情報を確認することが大切です。

 

当事務所では、申請者の年収だけでなく、家族構成、扶養人数、在留資格、納税・年金の状況などを確認し、永住許可申請をサポートしております。永住申請をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

2026.08.07 Friday