育成就労の送出機関とは?ベトナム・インドネシア等から受け入れる際の注意点【山形県】
育成就労の送出機関とは?ベトナム・インドネシア等から受け入れる際の注意点
2027年4月1日から始まる育成就労制度で、 ベトナム・インドネシアなど海外から外国人材を受け入れる場合、 「外国の送出機関」が重要な役割を担います。
しかし、技能実習制度で付き合いのある送出機関であれば、 そのまま育成就労制度でも利用できるとは限りません。
川越政伸行政書士事務所では、 山形県内の監理支援機関・事業協同組合・外国人受入れ企業を対象に、 送出機関の確認、監理支援機関許可、 育成就労計画認定、外国人の在留資格まで 一連の手続きをサポートしています。
外国人技能実習機構(OTIT)が公表している 育成就労制度の送出機関一覧では、 2026年9月1日現在、 ベトナムとインドネシアはいずれも 「暫定送出機関リスト」が掲載されています。
| 国 | 2026年9月1日時点 | リスト掲載・更新日 |
|---|---|---|
| ベトナム | 暫定 | 2026年8月6日 |
| インドネシア | 暫定 | 2026年8月12日 |
「暫定」とは、 二国間取決めの作成等に向けた段階で、 将来認定送出機関となることが見込まれる機関として 相手国から提出されたリストです。
今後、二国間取決めの作成や正式な認定送出機関リストの提出に伴い、 状況が変更される可能性があるため、 実際の申請時点で最新リストを確認することが非常に重要です。
育成就労制度の「送出機関」とは?
送出機関とは、 育成就労外国人になろうとする外国人の募集や、 日本側の監理支援機関への求職申込みの取次ぎ、 出国に必要な手続き、 日本へ来る前の準備・研修などを行う外国の機関です。
監理型育成就労では、 海外の送出機関と日本側の監理支援機関が連携し、 育成就労外国人の受入れを進めることになります。
育成就労では原則「どこの国からでも受け入れられる」わけではありません
育成就労制度では、 悪質な送出機関を排除し、 外国人本人の費用負担や権利保護を適正化するため、 送出国との関係が技能実習制度以上に重要になります。
外国の送出機関から求職申込みの取次ぎを受ける 監理型育成就労では、 原則として、日本政府と送出国政府との間で 二国間取決め(MOC)を作成した国から受け入れる 仕組みとなっています。
MOCに基づき送出国政府が送出機関の適格性を審査し、 要件を満たす送出機関が 「外国政府認定送出機関」としてリストに掲載されます。
「認定送出機関」と「暫定送出機関」は何が違う?
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 認定送出機関 | 二国間取決め(MOC)の作成後、 送出国政府から正式に認定送出機関リストとして 日本側へ提出された送出機関です。 |
| 暫定送出機関 | MOC作成に向けた協議中などの段階で、 将来認定送出機関となることが見込まれる機関として 相手国から提出されたリストに掲載されている機関です。 |
監理支援機関の許可に係る施行日前申請では、 MOC作成前であっても、 暫定送出機関リストが公表されている国については、 そのリストに掲載されている送出機関を記載して 申請することができます。
ベトナムから育成就労外国人を受け入れる場合
ベトナムは、 技能実習制度でも日本への主要な送出国の一つですが、 育成就労制度では 技能実習制度とは別に新制度への対応状況を確認 する必要があります。
2026年9月1日時点では、 OTITにベトナムの 暫定送出機関リストが掲載されています。
そのため、監理支援機関の施行日前申請で ベトナムの送出機関を利用する場合には、 契約予定の送出機関が 育成就労制度用の暫定送出機関リストに掲載されているか を確認する必要があります。
技能実習制度と育成就労制度では制度が異なります。 技能実習制度で認定されている、あるいは現在取引しているという理由だけで、 育成就労制度でも利用可能と判断せず、 育成就労制度用の最新リストを確認してください。
インドネシアから育成就労外国人を受け入れる場合
インドネシアについても、 2026年9月1日時点でOTITから 暫定送出機関リストが公表されています。
インドネシアから育成就労外国人を受け入れる場合も、 監理支援機関と契約する送出機関が 育成就労制度用リストに掲載されているかを確認することが重要です。
また、送出国側独自の手続き、 登録、推薦、費用等について 別途ルールが設けられる可能性があるため、 日本側の制度だけではなく インドネシア政府側の最新制度も確認する必要があります。
ベトナム・インドネシア等では「推薦状」にも注意
育成就労計画の認定申請では、 二国間取決めを作成している国等のうち、 外国人本人について推薦状を発行することとされている国の場合、 送出国の公的機関が作成した推薦状 の提出が必要となります。
2026年9月1日時点の施行日前申請に関する案内では、 推薦状を発行することとされている国として、
- インドネシア
- カンボジア
- キルギス
- ベトナム
- ラオス
が案内されています。
ベトナム・インドネシアからの受入れでは、 送出機関との契約だけでなく、 外国人本人ごとの推薦状の取得 についても早めに確認することが重要です。
技能実習で使っている送出機関との契約はそのまま使える?
原則として、 技能実習の送出しに関する契約をそのまま使うのではなく、 育成就労制度に対応した新しい契約を締結する必要があります。
監理支援機関許可申請では、 監理支援機関と送出機関との間で締結した 「育成就労外国人になろうとする者からの 求職申込みの取次ぎに関する契約書」 の提出が求められます。
送出機関との契約書で確認したいポイント
監理支援機関と外国の送出機関との契約では、 単に「人材を紹介してもらう契約」を作ればよいわけではありません。
- 育成就労外国人の求職申込みの取次ぎに関する契約になっているか
- 育成就労制度に対応した契約内容になっているか
- 日本語版と現地語または英語版を準備しているか
- 監理支援機関側の法人名義銀行口座が記載されているか
- 送出機関側の法人名義銀行口座が記載されているか
- 送出管理費の送金方法が明確になっているか
- 外国人や家族から保証金を徴収しないことが確認されているか
- 違約金を定める契約をしないことが確認されているか
- キックバック等の不当な利益供与がないか
- 途中帰国・転籍等を理由とした違約金が設定されていないか
- 覚書・別紙等に禁止事項が潜んでいないか
監理支援機関が送出機関から、 不適切な手数料、違約金、 送出管理費の不必要な返金などを受ける、 いわゆるキックバックを約束する契約は認められません。
契約書本体だけでなく、 別の覚書や合意書を交わしている場合も確認が必要です。
外国人が送出機関へ支払う費用には上限があります
育成就労制度では、 外国人本人に多額の借金を背負わせるような送出しを防ぐため、 外国人が送出機関に支払う費用に上限 が設けられています。
2か月分まで
残業代等を含む月収ではなく、 原則として1年目の所定内賃金月額を基準にします。
例えば、所定内賃金月額が20万円の場合、 外国人本人が送出機関へ負担できる費用の上限は、 原則として40万円となります。
ただし、「2か月分まで請求してよい」という趣旨ではなく、 外国人本人の費用負担は できる限り低く抑えることが望ましい とされています。
2か月分を超える送出費用は誰が負担する?
実際の送出しに必要な適正な費用が 外国人本人の負担上限を超える場合、 その超過部分を外国人本人に負担させることはできません。
上限を超える部分については、 育成就労実施者または監理支援機関が負担することになります。
したがって、 ベトナム・インドネシア等の送出機関を選定する際には、 「外国人本人はいくら払うのか」だけでなく、
- 募集費用
- あっせん費用
- 日本語教育費
- 職業訓練費
- 出国手続費
- 健康診断等の費用
- その他の送出しに関連する費用
について、 誰が・何を・いくら負担するのか を事前に確認しておくことが重要です。
送出機関選びで料金だけを比較しない方がよい理由
送出機関を選ぶ際、 「送出管理費が安いところ」を第一条件にすると、 後から問題になる可能性があります。
1.育成就労制度のリスト掲載状況
技能実習の実績だけで判断せず、 育成就労制度用の認定・暫定送出機関リストへの 掲載状況を確認します。
2.外国人本人の費用負担
本人負担額だけでなく、 費用の内訳が明確か、 領収書等が適切に発行されるかも重要です。
3.日本語教育
入国前にどのような日本語教育を行い、 どの程度の能力まで育成するのか確認します。
4.人材募集の方法
ブローカー等を介して不透明な募集を行っていないか、 外国人本人に不当な費用が発生していないか確認します。
5.日本語での連絡体制
担当者と日本語で迅速に連絡できるか、 トラブル時に適切な対応を受けられるかも重要です。
6.育成就労制度への理解
技能実習制度だけでなく、 育成就労制度の転籍、費用規制、 推薦状等を理解しているか確認します。
送出機関を選ぶ前のチェックリスト
- OTITの最新送出機関リストに掲載されている
- リスト上の法人名・住所と契約相手が一致している
- 育成就労制度用の取次契約を締結できる
- 日本語版と現地語・英語版の契約を作成できる
- 法人名義の銀行口座を利用している
- 外国人本人へ請求する費用が明確である
- 費用算出基準を明確に説明できる
- 本人負担が月給2か月分を超えない
- 保証金・違約金がない
- キックバック等を要求しない
- ブローカーを含む募集経路が明確である
- 日本語教育の内容が明確である
- 推薦状等の本国手続きに対応できる
- 日本語で連絡できる担当者がいる
- 転籍等が発生した場合の対応方針が明確である
監理支援機関の許可申請では送出機関を記載します
海外の送出機関から取次ぎを受ける予定の監理支援機関は、 許可申請の際に、 利用予定の送出機関を申請書へ記載します。
さらに、
- 認定または暫定送出機関リストの写し
- 監理支援機関と送出機関との取次契約書
- 日本語版及び現地語または英語版
- 必要に応じて覚書等
などの提出が必要です。
送出機関が複数ある場合には、 原則として利用する送出機関ごとの資料を準備します。
送出機関は後から追加・変更できる?
送出機関を追加・変更することは可能ですが、 必要な手続きを行わなければなりません。
施行日前申請後に送出機関を変更・追加する場合には、 所定の変更申出書や添付資料の提出が必要となる場合があります。
また、 送出機関の追加手続きが完了するまで、 その送出機関を利用した育成就労計画の認定を受けられない場合があります。
そのため、 「とりあえずどこか1社で監理支援機関許可を申請して、 後から自由に変更すればよい」 という進め方はおすすめしません。
育成就労計画認定申請との関係
外国の送出機関を利用して人材を確保しても、 それだけで外国人を日本へ受け入れられるわけではありません。
実際に外国人を受け入れるには、 外国人ごとの育成就労計画認定申請 が必要です。
送出国によっては推薦状等も必要となるため、 送出機関との調整と育成就労計画の準備を 並行して行うことが重要です。
これから外国人受入れの協同組合を設立する場合
これから事業協同組合を設立して、 ベトナム・インドネシア等から 育成就労外国人を受け入れたい場合は、 送出機関だけを先に決めるのではなく、
という全体像で準備する必要があります。
川越政伸行政書士事務所へご相談いただけること
1.送出機関の制度上の確認
契約予定の送出機関について、 育成就労制度の最新リスト・制度上の取扱いを確認します。
2.送出機関との契約関係
監理支援機関許可に必要となる 取次契約書等の内容について確認・整理します。
3.監理支援機関許可
送出機関関係資料を含め、 監理支援機関の許可申請をサポートします。
4.協同組合関係
外国人受入れのための協同組合設立、 既存協同組合の定款変更にも対応します。
5.育成就労計画
外国人本人ごとの育成就労計画認定申請についても 継続してご相談いただけます。
6.在留資格まで対応
育成就労計画認定後の在留資格申請まで、 外国人受入れ全体をご相談いただけます。
山形県の監理支援機関・協同組合・受入れ企業様へ
川越政伸行政書士事務所は山形県寒河江市を拠点として、 山形市、寒河江市、天童市、東根市、村山市、 新庄市、米沢市、南陽市、長井市、 酒田市、鶴岡市など、 山形県全域からのご相談に対応しています。
「ベトナムとインドネシアのどちらから受け入れるか検討中」 「技能実習で取引している送出機関を育成就労でも利用できるか確認したい」 「日本語で対応できる送出機関を探している」 といった段階からご相談ください。
育成就労の送出機関についてご相談ください
ベトナム・インドネシア等からの育成就労外国人受入れでは、 送出機関の選定だけでなく、 MOC、送出機関リスト、推薦状、費用、 契約内容、監理支援機関許可まで確認する必要があります。
送出機関 → 監理支援機関 → 育成就労計画 → 在留資格 → 受入れ
を一つの流れとしてご相談いただけます。
川越政伸行政書士事務所|山形県寒河江市
電話受付 9:00~18:00|お問い合わせフォーム24時間受付
育成就労の送出機関|よくある質問
Q.育成就労制度では送出機関を必ず利用しますか?
外国の送出機関から求職申込みの取次ぎを受ける 一般的な監理型育成就労では、 制度上の要件を満たす外国の送出機関を通じて 手続きを行います。 受入れ形態によって取扱いが異なる場合があります。
Q.技能実習で利用していた送出機関を育成就労でも利用できますか?
必ず利用できるとは限りません。 育成就労制度用の認定または暫定送出機関リストへの 掲載状況を確認する必要があります。 また、原則として育成就労制度に対応した 新しい取次契約の締結が必要です。
Q.ベトナムには育成就労の送出機関がありますか?
2026年9月1日時点では、 外国人技能実習機構から ベトナムの暫定送出機関リストが公表されています。 今後認定状況等が変わる可能性があるため、 実際の申請時点で最新リストを確認する必要があります。
Q.インドネシアには育成就労の送出機関がありますか?
2026年9月1日時点では、 インドネシアについても 暫定送出機関リストが公表されています。
Q.外国人本人はいくらまで送出機関へ支払えますか?
育成就労外国人が送出機関へ支払う費用は、 原則として育成就労開始時の 所定内賃金月額の2か月分を超えることができません。
Q.送出費用が月給2か月分を超える場合はどうなりますか?
外国人本人に上限を超える部分を負担させることはできません。 適正な送出費用が上限を超える場合、 超過部分は育成就労実施者または監理支援機関が 負担することになります。
Q.送出機関から紹介料の一部を返してもらうことはできますか?
不適切なキックバックや違約金等を内容とする契約は認められません。 監理支援機関の不許可・許可取消し等につながる可能性があるため、 契約内容には十分な注意が必要です。
Q.ベトナム・インドネシアでは推薦状が必要ですか?
2026年9月1日時点の施行日前申請に関する案内では、 ベトナム・インドネシアはいずれも 推薦状を発行することとされている国として案内されています。 実際の申請時には最新の二国間取決め・本国手続きを確認します。
Q.送出機関は後から変更できますか?
変更・追加は可能ですが、 監理支援機関側で所定の変更手続きが必要です。 追加手続きが完了するまで、 当該送出機関を利用した育成就労計画を 認定できない場合があります。
Q.送出機関との契約について行政書士へ相談できますか?
はい。 監理支援機関許可との関係、 必要な契約書類、 送出機関リスト等を確認しながら ご相談に対応します。
育成就労・監理支援機関の関連ページ
育成就労制度は2027年4月1日の施行前であり、 二国間取決め(MOC)、 外国政府認定送出機関リスト、 暫定送出機関リスト、 各国の推薦状・送出手続き等は今後更新される可能性があります。
実際の監理支援機関許可・育成就労計画認定等では、 外国人技能実習機構、出入国在留管理庁、 各送出国政府その他関係機関の 最新情報を確認して手続きを進めます。
