技人国の実務経験が10年未満の場合|申請できるケース・できないケース
実務経験が「10年に少し足りない」という方・採用企業様へ
技人国の実務経験が10年未満・9年の場合|申請できるケースはある?
「実務経験が9年だから技人国は無理」
とすぐに諦める必要はありません。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうち、 技術・人文知識に該当する専門業務を 実務経験によって申請する場合には、 原則として10年以上の関連する実務経験が必要です。
しかし、この10年間には一定の場合、 大学・高等専門学校・高等学校・専修学校等で 関連する科目を専攻した期間を含めることができます。
そのため、 会社での実務経験だけを見ると9年・8年であっても、 学歴や専攻内容まで確認すると 基準を満たせる可能性があります。
技人国の実務経験ルートは、 「会社で10年間働いたこと」だけを意味するものではありません。
出入国在留管理庁の基準では、 10年以上の実務経験について、 大学、高等専門学校、高等学校、専修学校等で 関連する科目を専攻した期間を含む とされています。
したがって、 例えば、
関連する実務経験 9年
+
関連分野を学校で学んだ期間 2年
というケースでは、 学校の種類・履修内容・期間等を確認したうえで、 実務経験ルートの基準を検討できる可能性があります。
一方で、 関連する実務経験や教育期間を合計しても10年に達しない場合に、 「9年だからほぼ10年」として扱われる制度ではありません。
- 実務経験が9年しかない
- 9年6か月で10年に少し足りない
- 実務経験は8年だが学校で関連分野を学んでいる
- 海外で9年以上の専門業務経験がある
- 複数社を合わせても10年に少し足りない
- 高校・大学・専門学校で関連科目を学んでいた
- 卒業証明書や成績証明書を使えるか確認したい
- 大学卒業等の別の学歴要件を満たしていないか確認したい
- IT資格等の例外を利用できないか確認したい
- 自分の場合は10年必要なのか3年でよいのか分からない
「9年しかない」という段階から確認します
実務経験だけでなく、 学校で学んだ期間・専攻内容・学歴・資格・ 日本で担当する予定業務まで確認し、 技人国を申請できる別のルートがないか整理します。
初回無料相談を申し込む 電話 0237-86-7198まず確認|技人国は全員に実務経験10年が必要ではありません
技術・人文知識・国際業務について、 すべての外国人が 10年間の実務経験を必要とするわけではありません。
「技術・人文知識」に該当する業務の場合、 主に次のようなルートがあります。
| ルート | 主な考え方 |
|---|---|
| 大学等の学歴 | 従事する業務に必要となる技術・知識に関連する科目を 専攻して大学を卒業した場合等 |
| 日本の専門学校 | 関連科目を専攻して専門課程を修了し、 専門士・高度専門士等の要件を満たす場合 |
| 実務経験 | 関連する業務について原則10年以上の実務経験がある場合 |
| 一定のIT資格等 | 法務大臣が定める情報処理技術に関する 試験・資格等に該当する場合 |
つまり、 「職歴が9年しかない」 という場合でも、 そもそも実務経験10年ルートを使う必要があるのか から確認することが大切です。
ケース①|実務経験9年+関連する学校の期間
最初に確認したいのが、 学校で関連分野を学んだ期間です。
実務経験10年の期間には、 一定の場合、
- 大学
- 高等専門学校
- 高等学校
- 中等教育学校の後期課程
- 専修学校の専門課程
などで、 申請予定の技術・知識に関連する科目を 専攻した期間 を含めることができます。
関連する専門業務の実務経験 9年
+
学校で関連科目を専攻した期間 2年
この場合、 学校で学んだ内容が日本で予定する業務に必要な 技術・知識と関連しているか、 在籍期間・履修内容等を確認し、 実務経験ルートの10年以上という基準を 満たせるか検討します。
例えば、日本で機械設計を行う予定なのに、 学校では全く関連しない分野のみを学んでいた場合、 その期間を単純に実務経験10年へ加えることができるとは限りません。
ケース②|実務経験8年+学校2年以上
実務経験が8年の場合でも、 学校で関連科目を学んだ期間があるのであれば、 その期間を確認する価値があります。
実務経験 8年
+
関連する教育期間 3年
=
合計11年
このような場合には、 教育期間について 基準上含めることのできる期間であるかを確認します。
特に海外の学校を卒業している場合には、
- 学校の種類
- 在学期間
- 専攻
- 履修科目
- 卒業の事実
などが分かる資料を確認することが重要です。
ケース③|大学を卒業しているなら10年不要の場合も
本人が 「実務経験が9年しかない」 と心配していても、 大学等の学歴による基準を すでに満たしている場合があります。
技術・人文知識では、 従事しようとする業務に必要となる技術・知識に 関連する科目を専攻して 大学を卒業している場合等には、 実務経験10年ルートではなく、 学歴による申請を検討できます。
「職歴が10年ないから無理」と考えていた外国人でも、 大学の専攻内容を確認すると、 学歴要件を利用できる場合があります。
ケース④|日本の専門学校を卒業している場合
日本の専修学校の専門課程を修了し、 専門士または高度専門士の称号を有している場合などには、 学歴による基準を検討できる場合があります。
ただし、専修学校の場合には、 日本で行う予定業務と 専攻科目との関連性 が重要です。
そのため、
- 卒業証明書
- 専門士・高度専門士を証明する資料
- 成績証明書
- 履修科目
- 日本で担当する仕事内容
などを確認します。
ケース⑤|IT資格等の特例を利用できる場合
情報処理関係の業務については、 法務大臣が定める一定の 情報処理技術に関する試験・資格 を有している場合、 通常の学歴・実務経験基準とは別の取扱いがあります。
そのため、 ITエンジニア等を採用する場合に 実務経験が10年に満たないからといって、 直ちに申請を諦めるのではなく、 本人が保有している資格も確認することが重要です。
ケース⑥|「国際業務」なら原則3年以上の場合も
「技術・人文知識・国際業務」という一つの在留資格でも、 仕事内容によって必要となる実務経験の基準が異なります。
外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする 「国際業務」に該当する場合には、 原則として、 従事しようとする業務に関連する業務について 3年以上の実務経験 が基準となります。
代表的には、
- 翻訳
- 通訳
- 語学の指導
- 広報
- 宣伝
- 海外取引業務
- 服飾・室内装飾に係るデザイン
- 商品開発
などがあります。
仕事内容によっては、 実務経験10年ではなく 国際業務の基準等を確認すべきケースがあります。
逆に|実務経験9年だけでは原則10年ルートを満たしません
ここは非常に重要です。
技術・人文知識の実務経験ルートは、 原則として 10年以上の実務経験 が基準です。
したがって、
- 関連する実務経験が9年
- 関連する教育期間なし
- 大学等の学歴要件も満たさない
- 専門学校による要件も満たさない
- 利用できるIT資格等もない
という場合に、
「9年だから10年とほぼ同じ」
「あと数か月だから大丈夫」
という理由だけで、 10年要件を満たしたことにはなりません。
申請予定日までに、 関連する実務経験・算入可能な教育期間等を 具体的に確認する必要があります。
あと数か月で10年になる場合は?
例えば、 申請を検討している時点で 関連実務経験が9年8か月あり、 あと4か月で10年になるケースがあります。
この場合、 他の学歴ルート等を利用できないのであれば、 いつ10年に到達するのかを正確に計算すること が重要です。
「2016年から勤務しているから2026年なら10年」 という大まかな計算ではなく、
- 入社日
- 退職日
- 各社の勤務期間
- 転職間の空白期間
- 仕事内容が変わった時期
まで確認します。
複数社の合算、 転職間の空白期間、 学校で学んだ期間、 職歴の重複等については、 以下の専門ページで詳しく解説しています。
「実務経験9年」でも仕事内容の関連性確認が必要
学校の期間を加えて10年以上になったとしても、 それだけで申請要件の確認が終わるわけではありません。
実務経験については、 日本で行う予定の仕事に関連する業務に従事した期間 であることが重要です。
例えば、 社会人経験が12年あっても、
- 単純作業 3年
- 関連性のない営業 2年
- 日本の予定業務に関連する専門業務 7年
という場合には、 単純に 「社会人経験12年だから10年」 とは判断できません。
過去と日本での職種名が違う場合、 途中で仕事内容が変わった場合、 どこまで「関連する業務」と考えられるかについては、 こちらで詳しく解説しています。
学校の期間を入れる場合に準備したい資料
実務経験10年へ 教育期間を含めて申請する場合には、 学校で何を学んでいたのかを確認できる資料が重要です。
案件によって異なりますが、 例えば、
- 卒業証明書
- 在学期間が分かる資料
- 成績証明書
- 履修科目が分かる資料
- 専攻内容の説明資料
- 学校のカリキュラム等
- 外国語資料の日本語訳
などを確認します。
重要なのは、 単に 「3年間学校に通っていた」 という事実だけでなく、 その期間に関連する科目を専攻していたこと を説明できることです。
実務経験について準備したい資料
実務経験については、 出入国在留管理庁の提出書類案内でも、 職務に従事した 機関・内容・期間を明示した履歴書や、 関連する業務に従事した期間を証明する 在職証明書等 が示されています。
そのため、
- 履歴書
- 在職証明書
- 実務経験証明書
- 職歴証明書
- 勤務期間が分かる資料
- 仕事内容が分かる資料
などを整理します。
勤務期間だけしか書かれていない在職証明書、 海外企業の証明書、 会社が廃業しているケースなどについては、 次のページで詳しく解説しています。
実務経験が10年未満の場合に最初に確認する6項目
- 本当に関連実務経験は何年何か月あるか
- 学校で関連科目を学んだ期間はないか
- 大学等の学歴要件を別途満たしていないか
- 日本の専門学校による要件を満たしていないか
- 一定のIT資格等を利用できないか
- 仕事内容が「国際業務」に該当しないか
実務経験8年・9年で注意したいケース
次のような場合には、 実務経験10年ルートについて 慎重に確認する必要があります。
- 勤務期間を大まかな「年」だけで計算している
- 転職間の無職期間まで含めている
- 関連しない仕事の期間を含めている
- 学校に通った期間を無条件で加えている
- 学校で何を学んだのか証明できない
- 在職証明書に仕事内容がない
- 一部の勤務先から証明書を取得できない
- 履歴書と証明書の勤務期間が違う
- 日本で予定している仕事内容がまだ明確でない
「10年に足りないから」と職歴を事実と異なる形にしない
実務経験が10年に少し足りないからといって、 実際より前の入社日を記載したり、 行っていない業務を実務経験証明書へ記載したりすることは 絶対に避ける必要があります。
申請書、履歴書、在職証明書、 雇用関係資料等の内容に矛盾があると、 申請内容全体の信用性にも影響します。
期間が不足する場合には、 学歴・教育期間・資格・仕事内容など、 別の適法なルートを確認します。
外国人を採用する企業様へ|内定前の確認がおすすめです
外国人本人の履歴書に 「経験10年」と書いてあっても、 実際に確認すると、
- 関連する経験は9年だった
- 転職間の空白を含めていた
- 最初の数年間は全く違う仕事だった
- 勤務先が廃業して証明書が取れない
- 学校期間を含めれば10年になる可能性があった
というケースが考えられます。
そのため、 外国人を実務経験ルートで採用する場合には、 正式な採用決定前に、 学歴・職歴・証明資料・予定業務を確認すること をおすすめします。
9年・8年でも、まず申請ルートを確認してください
「あと1年足りないから採用できない」 と判断する前に、 学歴、学校での専攻期間、IT資格、 国際業務該当性なども含めて確認します。
技人国について初回無料相談する 0237-86-7198実務経験10年未満についてよくある質問
Q.実務経験が9年しかありません。技人国は無理ですか?
直ちに無理とは限りません。 学校で関連科目を専攻した期間を 10年以上の実務経験期間へ含められる場合があります。 また、大学等の学歴要件や一定のIT資格等、 別の基準を満たしていないかも確認します。
Q.9年6か月なら10年として扱ってもらえますか?
単に「10年に近い」という理由だけで 10年以上として扱われるものではありません。 教育期間等を含めることができるか、 または別の基準を満たすかを確認する必要があります。
Q.実務経験8年+学校2年なら10年になりますか?
学校での2年間が、 申請する技術・知識に関連する科目を専攻した期間として 基準上含めることができるか確認する必要があります。 単純に学校在籍期間なら何でも加えられるわけではありません。
Q.高校で学んだ期間も含まれますか?
一定の場合、 高等学校等で関連する科目を専攻した期間を 含めて検討することができます。 実際の専攻・履修内容等を確認します。
Q.海外の大学・学校でも確認できますか?
外国の教育機関での学歴・教育歴についても、 学校の種類、在籍期間、専攻・履修内容等の資料を確認して 申請基準との関係を検討します。 外国語資料には日本語訳が必要です。
Q.実務経験が9年なら、あと1年働けばよいですか?
実務経験ルートだけを利用する場合には、 関連する業務について必要期間を満たすか確認することになります。 ただし、学校での関連教育期間や学歴等により 既に別の基準を満たしている可能性もあるため、 まず全体の経歴を確認することをおすすめします。
Q.アルバイト期間を足して10年にできますか?
雇用形態だけで一律に判断することはできません。 実際の仕事内容、勤務期間、勤務実態、 日本で予定する業務との関連性、 証明資料等を確認して個別に検討する必要があります。
Q.10年なくても国際業務なら申請できますか?
仕事内容が国際業務に該当する場合には、 原則3年以上の関連実務経験という別の基準があります。 ただし、仕事内容が実際に国際業務に該当するかを 個別に確認する必要があります。
川越政伸行政書士事務所の技人国申請サポート
川越政伸行政書士事務所では、 実務経験が10年に満たない外国人についても、 単に「年数不足」と判断するのではなく、 申請に利用できる基準がないか確認します。
- 外国人本人の実務経験期間の計算
- 複数社の職歴整理
- 仕事内容の関連性確認
- 学校で関連科目を学んだ期間の確認
- 大学等の学歴要件の確認
- 専門学校の卒業・専攻内容確認
- IT資格等の確認
- 国際業務該当性の確認
- 実務経験証明書・在職証明書の確認
- 外国語資料・日本語訳の確認
- 日本で担当する職務内容の確認
- 受入れ企業側の必要書類確認
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 案件に応じた説明資料の作成
技人国・実務経験についてあわせて確認
実務経験が10年未満でも、まずご相談ください
9年・8年だからという理由だけで判断せず、 学校で学んだ期間、学歴、資格、 仕事内容等を確認して申請ルートを整理します。
外国人本人・採用予定企業のどちらからでもご相談いただけます。
