Blog
飲食料品製造業分野の特定技能とは?外国人・受入れ企業の要件を解説
食品工場・飲料工場・スーパーの食品製造部門で外国人を採用したい企業様へ
飲食料品製造業分野の特定技能とは?
1号・2号の要件、対象業務、協議会を解説【2026年】
食品工場・飲料製造・スーパーのバックヤードは対象?
技能試験、日本語、技能実習からの免除、2号の実務経験、事業所判定、直接雇用まで行政書士が解説します。
食品製造企業からよくあるご相談
「自社の食品工場は特定技能の対象ですか?」
「包装・梱包だけ担当してもらえますか?」
「スーパーのバックヤードでも外国人を採用できますか?」
「技能実習生を特定技能へ変更できますか?」
「特定技能2号へ移行するには何年の経験が必要ですか?」
「協議会は会社単位ですか、工場単位ですか?」
「登録支援機関に支援を全部委託できますか?」
飲食料品製造業分野では、一定の技能・日本語能力を持つ外国人を在留資格「特定技能」で雇用できます。
対象となるのは、酒類を除く飲食料品の製造・加工と、それに伴う安全衛生に関する業務です。
ただし、「食品を扱う会社ならすべて対象」「外国人が試験に合格していれば採用できる」わけではありません。外国人が実際に勤務する事業所の業種、主たる事業、担当業務、雇用形態、食品産業特定技能協議会への加入など、企業側の要件も確認する必要があります。
まず結論|飲食料品製造業の特定技能で重要なポイント
✓ 特定技能1号・2号の両方がある
✓ 主業務は飲食料品の製造・加工と安全衛生
✓ 単なる選別・包装・梱包だけを主業務にはできない
✓ 1号は原則「技能試験+日本語A2.2相当以上」
✓ 対応する技能実習2号を良好に修了した場合は試験免除あり
✓ 2号は「2号技能試験+2年以上の管理等実務経験」
✓ 対象可否は会社全体ではなく外国人が実際に働く事業所で確認
✓ スーパーは食品製造部門のバックヤードが対象
✓ 雇用は直接雇用・フルタイム
✓ 食品産業特定技能協議会へ在留諸申請前に加入
✓ 飲食料品製造業では、受入れ事業所ごとの協議会加入が必要
最初に確認するのは「候補者の試験」だけではありません
採用予定の外国人が試験に合格していても、勤務する工場・店舗の事業内容や担当予定業務が飲食料品製造業分野に該当しなければ、特定技能で受け入れられません。内定前に事業所と仕事内容を確認することが重要です。
特定技能について目的別に確認する
特定技能外国人が担当できる業務
飲食料品製造業分野では、酒類を除く飲食料品の製造・加工と安全衛生に関する業務が対象です。
原料処理・加工
原料の下処理、切断、混合、成形、調理・加工等。
加熱・殺菌・乾燥等
食品・飲料の製造工程で行う加熱、冷却、殺菌、乾燥等。
品質・安全衛生
HACCPに沿った衛生管理、食中毒・異物混入防止、施設・設備の衛生管理等。
包装・梱包・選別だけでも特定技能で雇用できる?
単なる選別・包装・梱包だけを主業務にすることはできません
飲食料品の製造・加工に該当する業務を主として担当する必要があります。製造工程と関係なく完成品を箱詰めするだけ、包装だけを一日中行うといった配置は注意が必要です。
一方、製造・加工業務を行う中で、日本人従業員が通常行う関連業務へ付随的に従事することはできます。
関連業務の例
・原料の受入れ
・製品の搬送・納品準備
・作業場・設備の清掃
・製造に付随する包装・梱包
・作業準備・後片付け
雇用契約書や職務内容説明と、実際の現場配置を一致させることが重要です。
飲食料品製造業・特定技能1号の取得要件
技能試験
原則として、飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験に合格する必要があります。
日本語能力
原則として次のいずれか
・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
・日本語能力試験(JLPT)N4以上
特定技能1号の在留期間は原則通算5年以内で、1号特定技能外国人支援計画に基づく生活・就労支援も必要です。
技能実習2号から飲食料品製造業へ変更する場合
技能実習2号を良好に修了した外国人は、原則として共通の日本語試験が免除されます。
さらに、技能実習で修得した技能と、飲食料品製造業分野で従事予定の業務との関連性が認められる場合は、技能試験も免除されます。
「技能実習2号を修了した=すべての食品製造業務で技能試験免除」ではありません。
技能実習の職種・作業と、特定技能で担当する業務の対応関係を確認します。また、良好修了を証明する資料も必要です。
飲食料品製造業・特定技能2号の取得要件
飲食料品製造業分野は特定技能2号の対象です。
2号では、食品を製造・加工できるだけではなく、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理できる熟練した技能が求められます。
① 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験に合格
② 飲食料品製造業分野で、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者として2年以上の実務経験を有する
単に食品工場で2年間働いたというだけでは足りません。
複数の作業員に指示・指導し、製造工程を管理した経験を具体的に証明する必要があります。
特定技能1号と2号の違い
| 比較 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 一定の知識・技能 | 熟練した技能・工程管理 |
| 技能試験 | 1号技能測定試験 | 2号技能測定試験 |
| 実務経験 | 試験等で技能水準を確認 | 指導・工程管理の実務経験2年以上 |
| 在留期間 | 原則通算5年以内 | 更新回数に一律の上限なし |
| 家族帯同 | 原則不可 | 要件を満たせば配偶者・子が可能 |
| 1号支援計画 | 必要 | 不要 |
対象となる事業所|会社全体ではなく勤務先で判断
飲食料品製造業分野では、日本標準産業分類を参照し、外国人が実際に働く事業所の主たる業務が対象範囲に該当するかを確認します。
主な対象例
・食肉、魚介、水産加工品の製造
・野菜・果実加工
・パン・菓子製造
・弁当・そう菜製造
・冷凍食品・調理食品製造
・麺類・調味料等の製造
・清涼飲料製造
・茶・コーヒー製造
・製氷業
・食料品製造を行う一定のスーパー
・一定の食肉、菓子、パン、加工食品の製造小売
複数の事業を行っている場合
同じ事業所で複数事業を行っている場合、農林水産省は売上げ等を確認し、最も大きな割合を占める事業により事業所の分野該当性を判断するとしています。
登記簿の目的や会社案内だけで判断しないことが重要です。
外国人が実際に勤務する事業所で、何をどのように製造し、売上の中心となる事業が何かを確認します。
原則として対象外となる事業の例
・酒類製造業
・対象となる一部小売業を除く各種商品小売業・飲食料品小売業
・飲食料品卸売業
・塩製造業
・医薬品製造業
・香料製造業
・ペットフード製造
健康食品については、食品として扱われる製品の製造であれば対象となる場合がありますが、医薬品・医薬部外品・食品添加物等は扱いが異なるため、具体的な製品と事業所の主たる事業を確認します。
スーパーマーケットのバックヤードでも受入れ可能
食料品製造を行う総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットは、飲食料品製造業分野の受入れ対象となる場合があります。
対象となる主なバックヤード業務
・青果物加工
・鮮魚加工
・食肉加工
・ベーカリー製造
・そう菜製造
スーパーの店舗業務すべてが対象になるわけではありません。
売場での販売・レジ・一般的な接客等を主業務として特定技能「飲食料品製造業」で従事させることはできません。食品製造部門のバックヤードが対象です。
受入れ企業に求められる主な要件
✓ 対象となる飲食料品製造業を営んでいる
✓ 外国人が勤務する事業所が分野対象に該当する
✓ 特定技能外国人を直接雇用する
✓ 原則としてフルタイムで雇用する
✓ 日本人が同等業務に従事する場合と同等以上の報酬を支払う
✓ 労働関係法令を遵守する
✓ 社会保険・租税関係法令を適切に処理する
✓ 食品産業特定技能協議会の構成員になる
✓ 農林水産省・協議会の調査・指導等へ必要な協力を行う
✓ 1号の場合は適切な支援体制を整える
飲食料品製造業は派遣不可
派遣会社から特定技能外国人を受け入れることはできません
飲食料品製造業分野では直接雇用が必要です。外国人が実際に働く食品製造事業者と本人が特定技能雇用契約を締結します。
食品産業特定技能協議会|在留諸申請前に加入
飲食料品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、農林水産省が設置する食品産業特定技能協議会の構成員になる必要があります。
現在の重要ポイント
・出入国在留管理庁への在留諸申請を行う前に加入
・飲食料品製造業では外国人を受け入れる事業所ごとに加入
・同一法人でも複数工場で受け入れる場合は各事業所で加入
・加入審査は農林水産省の案内で2~3か月程度
・当面、入会金・年会費等は徴収しない
・飲食料品製造業・外食業を支援する登録支援機関にも協議会加入が求められる
協議会加入が申請直前になると、採用スケジュールが遅れる可能性があります。
外国人候補者の選定と並行して、勤務予定事業所の分野該当性と協議会加入状況を確認しましょう。
スーパーで受け入れる場合は追加の誓約も確認
総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットで飲食料品製造業分野の特定技能外国人を受け入れる場合、協議会では外国人が従事する業務に関する誓約書の提出も求めています。食品製造部門と販売部門を明確に区分した運用が重要です。
特定技能1号外国人への支援
特定技能1号外国人を受け入れる場合は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、法定支援を実施する必要があります。
・事前ガイダンス
・出入国時の送迎
・住居確保・生活契約支援
・生活オリエンテーション
・公的手続等への同行・補助
・日本語学習機会の提供
・相談・苦情対応
・日本人との交流促進
・一定の場合の転職支援
・定期面談・必要な通報
自社で支援体制を整えることが難しい場合は、支援計画の全部を登録支援機関へ委託できます。
在留資格申請で確認する主な資料
外国人本人
技能試験・日本語試験の合格資料、技能実習2号良好修了・試験免除の確認資料、健康診断関係資料、在留カード・パスポート関係資料等。
受入れ企業・事業所
会社・事業所資料、対象となる飲食料品製造業を営んでいることを確認する資料、協議会構成員関係資料、雇用契約、報酬説明等。
特定技能2号
2号技能測定試験関係資料のほか、複数の作業員を指導しながら作業し、工程を管理した2年以上の実務経験を証明する資料を準備します。
飲食料品製造業で特定技能外国人を採用する流れ
STEP1 外国人を配置する事業所を決める
↓
STEP2 事業所の主たる事業・日本標準産業分類を確認
↓
STEP3 外国人に担当させる製造・加工業務を具体化
↓
STEP4 本人の技能試験・日本語・技能実習歴を確認
↓
STEP5 食品産業特定技能協議会の加入申請を進める
↓
STEP6 直接雇用・フルタイムの雇用条件を決定
↓
STEP7 1号の場合は支援計画を作成
↓
STEP8 COE交付申請または在留資格変更許可申請
↓
STEP9 許可後に対象となる製造業務で就労開始
↓
STEP10 支援・届出・更新・2号移行を継続管理
食品製造業の特定技能でよくある確認漏れ
① 試験合格だけ見て採用を決める
→ 先に勤務事業所の分野該当性を確認します。
② 会社全体が食品会社だから対象と思う
→ 外国人が実際に勤務する事業所の主たる事業で確認します。
③ 包装・梱包だけ担当させる
→ 製造・加工業務が主業務である必要があります。
④ スーパーでレジ・販売も担当させる
→ 飲食料品製造業分野では食品製造部門のバックヤードが対象です。
⑤ 協議会加入を在留申請直前に始める
→ 現在、審査に2~3か月程度と案内されています。
⑥ 本社だけ協議会に加入すればよいと思う
→ 飲食料品製造業分野では、受入れ事業所ごとの加入が必要です。
外国人へ内定を出す前に「事業所」と「仕事内容」を確認
食品製造品目、作業工程、技能実習歴、試験、協議会、支援体制から、飲食料品製造業の特定技能で採用できるか整理します。
食品製造業の外国人採用を相談する飲食料品製造業の特定技能でよくある質問
Q.食品工場ならすべて特定技能外国人を雇えますか?
食品を扱っているだけでは判断できません。外国人が勤務する事業所の日本標準産業分類、主たる事業、実際の製造・加工内容が飲食料品製造業分野の対象に該当する必要があります。
Q.包装・梱包だけ担当してもらえますか?
包装・梱包だけを主業務として配置することは適切ではありません。飲食料品の製造・加工業務を主に行い、その付随業務として包装等を担当する形で検討します。
Q.スーパーマーケットでも受け入れできますか?
食料品製造を行う一定の総合スーパー・食料品スーパーは対象となります。青果、鮮魚、食肉、ベーカリー、そう菜等の食品製造部門のバックヤードが対象で、一般的な販売・レジ業務は対象ではありません。
Q.技能実習2号から特定技能へ変更できますか?
可能です。技能実習2号を良好に修了していれば共通の日本語試験は原則免除され、技能実習の職種・作業と従事予定業務に関連性が認められる場合は技能試験も免除されます。
Q.特定技能2号は食品工場で2年働けば取得できますか?
単なる勤務期間では足りません。複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者として2年以上の実務経験が必要です。さらに2号技能測定試験への合格が必要です。
Q.特定技能外国人を派遣会社から受け入れられますか?
飲食料品製造業分野ではできません。受入れ企業との直接雇用が必要です。
Q.協議会は会社で1回加入すればよいですか?
飲食料品製造業分野では受入れ事業所ごとに加入します。同一法人が複数の工場等で受け入れる場合は、それぞれの事業所で加入が必要です。
Q.協議会はいつ加入すればよいですか?
現在は在留諸申請を行う前に加入する必要があります。農林水産省は加入審査に2~3か月を要すると案内しているため、早めの手続が重要です。
Q.登録支援機関へ1号支援を全部委託できますか?
支援計画の全部を登録支援機関へ委託できます。飲食料品製造業・外食業の受入れ機関を支援する登録支援機関についても、食品産業特定技能協議会への加入要件を確認します。
公的情報
特定技能外国人の採用・支援をさらに詳しく
山形県・東北で食品製造業の特定技能外国人を採用したい企業様へ
事業所の分野該当性確認から在留資格申請・登録支援まで
川越政伸行政書士事務所では、飲食料品製造業分野の特定技能外国人採用についてご相談を承っています。
・自社工場が特定技能の対象か確認したい
・食品製造の作業内容が対象業務か確認したい
・包装・梱包・清掃をどこまで担当させられるか知りたい
・スーパーのバックヤードで外国人を採用したい
・技能実習から特定技能へ変更したい
・技能試験免除の対象か確認したい
・特定技能1号から2号へ変更したい
・2号の2年以上の管理等実務経験を確認したい
・協議会加入と在留申請の順番を確認したい
・海外から特定技能外国人を採用したい
・在留資格認定証明書交付申請を依頼したい
・在留資格変更・更新申請を依頼したい
・登録支援機関へ1号支援を委託したい
まとめ|食品工場は「事業所・業務・本人・企業要件」を確認
飲食料品製造業分野では、酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生に関する業務で特定技能外国人を雇用できます。
特定技能1号は原則として技能試験と日本語試験が必要で、一定の技能実習2号良好修了者には試験免除があります。特定技能2号では、2号技能測定試験に加え、複数の作業員を指導しながら作業し、工程を管理した2年以上の実務経験が必要です。
企業側では、外国人が実際に勤務する事業所が対象業種に該当すること、製造・加工が主業務であること、直接雇用・フルタイムであること、食品産業特定技能協議会へ在留諸申請前に加入すること等を確認します。
外国人へ内定を出してから「この事業所では受け入れられない」とならないよう、採用前に事業所の主たる事業、具体的な作業工程、本人の試験・技能実習歴、協議会加入状況を整理することが重要です。
食品工場・スーパーの食品製造部門で外国人を採用する前にご相談ください
事業所の対象可否、仕事内容、試験、技能実習歴、協議会、在留資格申請、1号支援まで整理します。
お問い合わせはこちら川越政伸行政書士事務所
申請取次行政書士・登録支援機関

