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2026-08-05 11:00:00

特定技能とは?19の対象分野・受入れ要件・申請手続きを行政書士が解説

人手不足が深刻な業界では、外国人材の採用方法として、在留資格「特定技能」の活用が広がっています。

特定技能制度は、一定の専門性や技能を持つ外国人を、人材確保が困難な産業分野で受け入れるための制度です。

この記事では、出入国在留管理庁が公表している情報をもとに、特定技能1号と特定技能2号の違い、対象分野、外国人・受入れ企業の要件、必要な支援や手続きについて分かりやすく解説します。

※本記事は2026年8月5日時点の情報をもとに作成しています。

特定技能とは

「特定技能」は、日本国内で人材を確保することが難しい産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が働くための在留資格です。

特定技能には、次の2種類があります。

  • 特定技能1号
  • 特定技能2号

特定技能1号は、一定の知識または経験を必要とする業務に従事する外国人を対象としています。

一方、特定技能2号は、より熟練した技能を持ち、現場管理や作業員の指導などを行うことができる外国人を対象とする在留資格です。

特定技能1号と特定技能2号の違い

特定技能1号

特定技能1号の主な特徴は次のとおりです。

  • 在留期間は原則として通算5年まで
  • 家族の帯同は原則として認められない
  • 技能試験と日本語試験への合格が原則として必要
  • 受入れ企業などによる生活・就労支援が必要

特定技能1号の通算在留期間は原則5年以内とされており、配偶者や子を「家族滞在」で呼び寄せることは原則としてできません。

特定技能2号

特定技能2号の主な特徴は次のとおりです。

  • 在留期間の更新回数に上限がない
  • 要件を満たせば家族の帯同が可能
  • 特定技能1号より高い技能水準が必要
  • 現場の管理や他の作業員の指導などを行うことが想定されている

特定技能2号で在留を継続できれば、将来的な永住許可申請につながる可能性もあります。ただし、永住許可については、在留期間、納税、社会保険、素行、生計などの要件を別途満たす必要があります。

特定技能2号の対象は、特定技能1号の全分野ではありません。2026年時点では、介護、リネンサプライ、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、林業、木材産業および資源循環を除く11分野が対象とされています。

特定技能の対象分野

2026年時点では、特定技能制度の対象となる特定産業分野は、次の19分野です。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. リネンサプライ
  4. 工業製品製造業
  5. 建設
  6. 造船・舶用工業
  7. 自動車整備
  8. 航空
  9. 宿泊
  10. 自動車運送業
  11. 鉄道
  12. 物流倉庫
  13. 農業
  14. 漁業
  15. 飲食料品製造業
  16. 外食業
  17. 林業
  18. 木材産業
  19. 資源循環

特定技能の対象分野は従来の16分野から拡大され、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環が加わり、19分野となっています。

ただし、新たに追加された分野については、省令、告示、試験、分野別協議会などの準備状況によって、実際に受入れを開始できる時期が異なる場合があります。採用を進める前に、各分野の最新情報を確認することが重要です。

特定技能外国人に求められる要件

外国人が特定技能1号の在留資格を取得するためには、原則として次の要件を満たす必要があります。

1.技能試験への合格

就労を希望する分野ごとに実施される技能試験に合格しなければなりません。

試験内容や合格基準は、介護、建設、宿泊、外食業など、それぞれの分野によって異なります。

2.日本語試験への合格

原則として、次のいずれかの日本語試験に合格する必要があります。

  • 国際交流基金日本語基礎テスト
  • 日本語能力試験N4以上

介護分野など、一部の分野では、これとは別に分野固有の日本語試験への合格が必要になることがあります。

3.技能実習2号良好修了者の試験免除

技能実習2号を良好に修了した外国人は、日本語試験が原則として免除されます。

さらに、技能実習で行っていた職種・作業と、特定技能で従事する業務に関連性が認められる場合は、技能試験についても免除されることがあります。

受入れ企業に求められる主な要件

特定技能外国人を受け入れる企業や個人事業主は、「特定技能所属機関」と呼ばれます。

受入れ企業には、主に次のような要件があります。

  • 外国人と適正な雇用契約を締結すること
  • 日本人と同等以上の報酬を支払うこと
  • 労働法令、社会保険関係法令、税法などを遵守していること
  • 外国人が安定して働ける体制を整えていること
  • 特定技能1号外国人に対する支援計画を作成すること
  • 分野ごとに定められた基準を満たすこと
  • 必要に応じて分野別協議会へ加入すること
  • 出入国在留管理庁への届出を適切に行うこと

特定技能外国人の給与については、同じ仕事に従事する日本人労働者と同等以上でなければなりません。

外国人であることを理由に給与を低く設定することは認められていません。

特定技能1号外国人に必要な支援

特定技能1号外国人を受け入れる場合、受入れ企業は「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、その計画に基づいて支援を実施する必要があります。

主な支援内容は次のとおりです。

  1. 入国前または在留資格変更前の事前ガイダンス
  2. 出入国時の空港などへの送迎
  3. 住居の確保、銀行口座、携帯電話、ライフライン契約の支援
  4. 日本での生活に関するオリエンテーション
  5. 住民登録、税金、社会保険などの手続きへの同行
  6. 日本語学習の機会の提供
  7. 外国人からの相談や苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 会社都合で雇用契約を終了する場合の転職支援
  10. 定期的な面談と行政機関への通報

これらの支援は、受入れ企業が自社で実施することもできますが、支援の全部を登録支援機関へ委託することも可能です。

登録支援機関とは

登録支援機関とは、特定技能所属機関から委託を受け、特定技能1号外国人に対する支援を行う機関です。

受入れ企業に外国人支援の経験や十分な人員がない場合には、登録支援機関へ支援業務を委託する方法が一般的です。

ただし、登録支援機関へ支援を委託した場合でも、雇用主としての労働法令上の責任や、適正な雇用管理に関する責任までなくなるわけではありません。

特定技能外国人を採用するまでの流れ

一般的な手続きの流れは次のとおりです。

STEP1 受入れ可能な分野・業務を確認する

企業の事業内容と外国人に担当させる業務が、特定技能の対象業務に該当するかを確認します。

単に対象業界に属しているだけでは足りず、外国人が実際に行う仕事内容が分野別基準に適合していなければなりません。

STEP2 外国人の試験合格・免除要件を確認する

技能試験、日本語試験への合格状況や、技能実習2号良好修了者として試験免除を受けられるかを確認します。

STEP3 雇用契約を締結する

給与、労働時間、休日、業務内容、勤務地などを明記した雇用契約を締結します。

外国人が十分に理解できる言語で、労働条件を説明することも必要です。

STEP4 支援計画を作成する

特定技能1号外国人を採用する場合は、支援内容、支援担当者、実施方法などを記載した支援計画を作成します。

STEP5 在留資格の申請を行う

海外から外国人を呼び寄せる場合は、原則として在留資格認定証明書交付申請を行います。

すでに日本に在留している外国人を採用する場合は、在留資格変更許可申請を行います。

STEP6 許可後に雇用と支援を開始する

在留資格が許可された後、雇用契約と支援計画に基づいて就労・支援を開始します。

雇用条件、勤務先、支援内容などに変更が生じた場合には、出入国在留管理庁への届出が必要になることがあります。

市区町村への協力確認書の提出

2025年4月1日以降、特定技能所属機関は、地方公共団体が実施する外国人との共生施策に協力することが求められています。

受入れ企業は、特定技能外国人が勤務する事業所や居住地の市区町村に対して、原則として「協力確認書」を提出します。

また、1号特定技能外国人支援計画を作成する際には、地方公共団体が実施している共生施策を確認し、その内容を踏まえて支援を行う必要があります。

定期届出は年1回に変更

特定技能外国人を受け入れている企業には、出入国在留管理庁への定期届出や随時届出が義務付けられています。

従来、定期届出は四半期ごとに行われていましたが、2025年4月以降は、原則として年1回の届出に変更されています。

対象年度に特定技能外国人を1日でも受け入れていた場合は、原則として翌年度の4月1日から5月31日までに定期届出を行います。

定期届出を行っていない場合、今後の特定技能外国人の受入れが認められない可能性があります。届出期限を忘れないよう、社内で適切に管理することが重要です。

特定技能申請では分野ごとの確認が重要です

特定技能制度は、外国人本人の試験合格だけで申請できる制度ではありません。

受入れ企業の事業内容、外国人の仕事内容、給与、雇用条件、支援体制、協議会への加入状況、納税・社会保険の状況などを総合的に確認する必要があります。

また、分野ごとに必要書類や上乗せ基準が異なります。

申請前の確認が不十分な場合には、追加資料を求められたり、審査が長期化したり、不許可となったりする可能性があります。

特定技能外国人の採用・在留資格申請をサポートします

当事務所では、特定技能外国人を採用したい企業・事業者の皆様に対し、次のようなサポートを行っています。

  • 特定技能の対象業務に該当するかの確認
  • 外国人の試験合格・試験免除要件の確認
  • 必要書類のご案内
  • 雇用条件や受入れ体制の確認
  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 在留期間更新許可申請
  • 申請理由書・説明書などの作成
  • 登録支援機関との連携
  • 特定技能制度に関する企業向け相談

「自社の業務で特定技能外国人を採用できるのか分からない」「技能実習から特定技能へ変更したい」「必要書類や手続きが複雑で不安」という場合は、お早めにご相談ください。

外国人本人の状況と受入れ企業の体制を確認したうえで、適切な申請手続きをサポートいたします。

※特定技能制度は、法令改正や運用変更が頻繁に行われています。実際に申請する際は、出入国在留管理庁および各分野を所管する省庁の最新情報をご確認ください。

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2026.08.05 Wednesday