在留資格&外国人ビザなど許認可申請手続きお任せください!
ビザ&許可申請サポート山形
運営:川越政伸行政書士事務所|特定技能登録支援機関

山形県寒河江市にある行政書士事務所&特定技能登録支援機関
山形県・宮城県・福島県・岩手県・秋田県・青森県の東北6県を中心に日本全国&海外在住のお客様も対応可能!
外国人雇用・就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザ・帰化申請などの国際業務と
許認可申請・届出手続きを情熱溢れる30代の若手行政書士が代行します。
初回無料相談のご予約、業務のご依頼やご相談等は、お電話またはお問い合わせフォームよりご連絡ください!
お電話受付時間9:00-18:00(年中無休)
 0237-86-7198
お問い合わせ

Blog

2026-08-09 13:30:00

山形県のホテル・旅館で外国人雇用|技人国と特定技能どちらを選ぶ?仕事内容・要件を比較

【2026年版】ホテル・旅館の外国人雇用|技人国と特定技能「宿泊」の違いを徹底比較

ホテルや温泉旅館で外国人を雇用する場合、主に検討される在留資格が、次の2つです。

  • 技術・人文知識・国際業務(技人国)
  • 特定技能「宿泊」

どちらもホテル・旅館で働ける在留資格ですが、認められる仕事内容や外国人本人の要件、受入れ施設に求められる手続きが異なります。

特に注意したいのが、同じ「フロントスタッフ」という職種名でも、実際の仕事内容によって適切な在留資格が変わる点です。

例えば、外国語を使った通訳、海外向け営業、マーケティングなどを中心に任せる場合は、技人国が適している可能性があります。

一方、フロント、接客、レストランサービスなど、ホテル・旅館の現場業務を幅広く担当してもらう場合は、特定技能「宿泊」が適していることがあります。

この記事では、ホテル・旅館で外国人を採用する事業者向けに、技人国と特定技能「宿泊」の違い、任せられる仕事、採用条件、在留期間、支援義務などを分かりやすく解説します。

※この記事は、2026年8月時点で確認できる制度に基づいて作成しています。

結論|専門業務なら技人国、宿泊サービス業務なら特定技能

技人国と特定技能「宿泊」の大きな違いは、外国人に担当してもらう仕事の性質です。

技人国は、学歴や職歴を生かした専門的な仕事をするための在留資格です。

ホテル・旅館では、外国語を使った通訳・案内、海外営業、インバウンド向け企画、広報、マーケティングなどが対象になる可能性があります。

これに対して、特定技能「宿泊」は、宿泊サービスに必要な技能を持つ外国人が、ホテル・旅館の現場で幅広く働くための在留資格です。

フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどが対象とされています。

在留資格を選ぶときは、外国人の希望や職種名だけではなく、実際に担当してもらう仕事内容を基準に判断することが重要です。

 

技人国と特定技能「宿泊」の比較表

比較項目 技術・人文知識・国際業務 特定技能「宿泊」
制度の目的 専門知識や外国人特有の能力を生かした仕事 宿泊サービスに必要な技能を生かした仕事
主な仕事内容 通訳、海外営業、企画、広報、マーケティング、専門的なフロント業務など フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなど
学歴・職歴 原則として関連する学歴または実務経験が必要 原則として技能試験・日本語試験への合格が必要
日本語能力 一律の試験要件ではないが、仕事内容によって証明が必要 1号は原則としてJLPT・N4以上またはJFT-Basic
客室清掃 主な業務にはできない 関連業務として付随的に担当できる
配膳・レストラン業務 単純な配膳を主な業務にはできない レストランサービスを主な業務として担当できる
雇用形態 直接雇用が一般的。適法な派遣形態が認められる場合もある 宿泊分野では直接雇用のみ
支援計画 不要 特定技能1号では必要
在留期間 5年、3年、1年または3月。更新回数の一律上限なし 1号は通算5年まで。2号は更新回数の一律上限なし
家族の帯同 一定の条件で配偶者・子の帯同が可能 1号は原則不可。2号は可能
協議会加入 不要 宿泊分野特定技能協議会への加入が必要
派遣による受入れ 適法な派遣形態で認められる場合がある 宿泊分野では認められない

 

技術・人文知識・国際業務とは

「技術・人文知識・国際業務」は、大学や専門学校などで学んだ知識、または一定の実務経験を生かして、専門的な仕事に従事する外国人を対象とする在留資格です。

一般的には「技人国ビザ」と呼ばれることもありますが、正確には「技術・人文知識・国際業務」という在留資格です。

ホテル・旅館では、次のような仕事が対象になる可能性があります。

  • 外国人宿泊客への通訳・案内
  • 外国語による予約受付
  • 海外の旅行会社との連絡・営業
  • インバウンド向け宿泊プランの企画
  • 海外向け広報・マーケティング
  • 外国語によるホームページやSNSの運用
  • 外国人顧客からの問い合わせ・苦情対応
  • 経理、人事、総務などの専門業務

ただし、「フロントスタッフ」「ホテル総合職」などの名称を付ければ、技人国が許可されるわけではありません。

外国人本人の学歴・職歴と仕事内容との関係や、専門的な業務が実際に十分存在するかなどが審査されます。

出入国在留管理庁が示しているホテル・旅館の事例でも、実際の仕事が宿泊客の荷物運搬や客室清掃を中心とする場合には、技人国に該当しないと判断された事例があります。

 

特定技能「宿泊」とは

特定技能「宿泊」は、人手不足が深刻な宿泊業で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。

特定技能1号では、ホテル・旅館における次のような仕事が対象になります。

  • フロント業務
  • チェックイン・チェックアウト対応
  • 予約受付
  • 館内案内
  • 観光案内
  • 接客
  • 企画・広報
  • レストランサービス
  • 宴会場での接客
  • 宿泊サービスに関連する業務

宿泊分野特定技能1号評価試験では、フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどの業務について、定型的な内容であれば独力で実施できる技能・知識が確認されます。

技人国が専門的な業務を対象とするのに対し、特定技能「宿泊」は、ホテル・旅館の現場で提供される宿泊サービスそのものを対象としている点が大きな違いです。

 

違い1|担当できる仕事内容

技人国は専門性が必要

技人国では、大学や専門学校で学んだ知識、または実務経験を必要とする仕事でなければなりません。

ホテルのフロントで働く場合でも、次のような専門性や国際性が重要になります。

  • 外国語を使用した通訳・案内
  • 海外旅行会社との交渉
  • 外国人宿泊客向けの企画
  • インバウンド市場の調査
  • 海外向けマーケティング
  • 外国語による広報
  • 外国人顧客への専門的な対応

一方、一般的なチェックイン手続き、荷物運搬、客室清掃、料理の配膳などを中心とする場合は、技人国に該当しない可能性があります。

 

特定技能は宿泊サービスを幅広く担当できる

特定技能「宿泊」では、フロント、接客、レストランサービスなど、ホテル・旅館の現場業務を幅広く担当できます。

外国語を使うことや、大学でホテル経営を専攻していることが必須ではありません。

宿泊業に必要な技能試験と日本語試験に合格することなどによって、業務に必要な能力を証明します。

そのため、接客やレストランサービスを含め、現場で幅広く働いてもらいたい場合は、特定技能の方が仕事内容に合いやすいことがあります。

 

違い2|フロント業務の考え方

ホテル・旅館のフロント業務は、技人国でも特定技能でも対象になる可能性があります。

ただし、同じフロント業務でも、在留資格ごとに認められる理由が違います。

技人国のフロント業務

技人国では、外国語能力、専門知識、企画力などを必要とするフロント業務であることが重要です。

例えば、次のような業務です。

  • 外国人宿泊客への通訳
  • 外国語による予約・問い合わせ対応
  • 海外旅行会社との調整
  • 外国人顧客の要望分析
  • インバウンド向けサービスの企画
  • 海外向け広報と一体となったフロント対応

単に「フロントで接客する」というだけではなく、本人の学歴・職歴を生かした専門的な仕事であることを説明する必要があります。

 

特定技能のフロント業務

特定技能「宿泊」では、宿泊サービスとしてのフロント業務が直接対象となります。

例えば、次のような一般的なフロント業務です。

  • チェックイン・チェックアウト
  • 予約内容の確認
  • 館内設備の説明
  • 客室や食事時間の案内
  • 観光情報の案内
  • 宿泊客からの要望への対応

専門的な企画や海外営業を中心としなくても、宿泊サービスに必要な技能を使って働くことができます。

 

違い3|客室清掃・ベッドメイキングを任せられるか

技人国では清掃を主な業務にできない

技人国は専門的な仕事を対象とするため、客室清掃やベッドメイキングを主な仕事として外国人を雇用することはできません。

専門的なフロント業務に従事する外国人が、緊急時や繁忙時に一時的に清掃を手伝うことはあり得ます。

しかし、勤務時間の大部分を次のような仕事に充てる場合は注意が必要です。

  • 客室清掃
  • ベッドメイキング
  • 浴室やトイレの清掃
  • アメニティの補充
  • 館内清掃
  • 荷物運搬
  • 食器洗い

申請時には専門業務と説明していても、入社後に清掃や配膳を中心に担当させると、在留資格に合わない就労と判断される可能性があります。

 

特定技能では付随的な清掃が可能

特定技能「宿泊」では、フロント、接客、レストランサービスなどの宿泊サービス業務を行いながら、客室清掃、ベッドメイキング、館内販売などの関連業務に付随的に従事することが認められています。

ただし、特定技能「宿泊」であっても、客室清掃だけを担当させればよいという意味ではありません。

清掃を中心とする場合は、業務内容によって特定技能「ビルクリーニング」の対象になるかを検討する必要があります。

 

違い4|レストランサービス・配膳を任せられるか

技人国では単純な配膳を主業務にできない

技人国の外国人に、レストランでの配膳や食器の片付けだけを主な仕事として担当させることはできません。

外国人宿泊客への通訳や、海外向け企画を主な仕事とする外国人が、一時的・付随的にレストラン業務を手伝う場合はあります。

しかし、実際の勤務内容がレストランでの配膳を中心としている場合は、技人国の活動とは認められない可能性があります。

特定技能ではレストランサービスが対象

特定技能「宿泊」では、レストランサービスが正式な対象業務に含まれています。

料理や飲物の提供、料理内容の説明、宴会場での接客などを、主な業務の一つとして担当してもらうことができます。

フロントとレストランサービスを兼務してもらいたいホテル・旅館では、特定技能の方が実際の働き方に合う場合があります。

 

違い5|外国人本人に必要な学歴・試験

技人国は学歴または実務経験が重要

技人国では、一般的に次のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 仕事内容に関連する科目を大学などで専攻して卒業した
  • 日本の専門学校で関連する専門課程を修了し、「専門士」などを取得した
  • 関連する仕事について原則10年以上の実務経験がある
  • 通訳などの国際業務について原則3年以上の実務経験がある

大学を卒業した外国人が翻訳・通訳業務に従事する場合など、実務経験に関する例外もあります。

技人国では、本人がどの学校で何を学んだか、過去にどのような仕事をしてきたかが重要になります。

 

特定技能1号は技能試験・日本語試験が基本

特定技能「宿泊」1号では、原則として次の試験への合格が必要です。

  • 宿泊分野特定技能1号評価試験
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験N4以上

一定の技能実習を良好に修了した外国人については、試験が免除されることがあります。

特定技能では、大学や専門学校の卒業が必須ではありません。学歴よりも、宿泊業務に必要な技能と日本語能力を持っているかが重視されます。

 

違い6|日本語能力の基準

技人国は全員にN2が必須ではない

技人国には、外国人全員に共通する「JLPT・N2以上」という一律の要件があるわけではありません。

ただし、ホテルのフロントなど、言語能力を使った対人業務に従事する場合は、業務で使用する言語について、一定の能力を証明する資料が必要になることがあります。

日本語を中心に使用する業務では、JLPT・N2以上などが重要になるケースがあります。

なお、この点については、関連記事「ホテル・旅館の技人国ビザにN2は必要?」で詳しく解説すると、サイト内の回遊率向上も期待できます。

 

特定技能1号は原則N4相当以上

特定技能1号では、原則としてJLPT・N4以上またはJFT-Basicへの合格が必要です。

ただし、N4は在留資格を取得するための基準です。

実際のホテル・旅館では、宿泊客への説明、電話対応、苦情対応、緊急時の連絡などが必要になるため、採用時には試験結果だけでなく、実際の会話能力も確認することが大切です。

 

違い7|在留期間と長期雇用

技人国は更新回数に一律の上限がない

技人国の在留期間は、5年、3年、1年または3月です。

雇用関係や仕事内容などに問題がなく、更新が許可されれば、継続して日本で働くことができます。

通算5年までという一律の上限はありません。

特定技能1号は通算5年まで

特定技能1号で在留できる期間は、原則として通算5年までです。

そのため、1号だけでは無期限に雇用し続けることはできません。

一方、宿泊分野は特定技能2号の対象です。

特定技能2号へ移行できれば、在留期間の更新回数に一律の上限がなくなり、長期的に働くことができます。

宿泊分野の特定技能2号では、技能試験への合格に加え、宿泊施設で複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどに2年以上従事した実務経験が求められます。

 

違い8|家族を日本へ呼べるか

技人国の外国人は、要件を満たせば、配偶者や子どもを「家族滞在」の在留資格で日本へ呼び寄せることができます。

一方、特定技能1号では、原則として家族の帯同は認められていません。

特定技能2号へ移行した場合は、要件を満たせば配偶者や子どもの帯同が可能です。

家族と日本で生活したい外国人にとっては、在留資格の種類や将来のキャリアが重要な判断材料になります。

 

違い9|1号特定技能外国人への支援義務

技人国で外国人を雇用する場合、特定技能制度で定められているような支援計画を作成する義務はありません。

これに対し、特定技能1号外国人を受け入れるホテル・旅館は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、必要な支援を実施しなければなりません。

主な支援内容には、次のようなものがあります。

  • 入国前の事前ガイダンス
  • 空港などへの送迎
  • 住居確保の支援
  • 銀行口座や携帯電話の契約支援
  • 市区町村での手続きへの同行
  • 日本での生活ルールの説明
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談・苦情への対応
  • 定期的な面談
  • 転職支援が必要になった場合の対応

ホテル・旅館が自社で適切に支援できない場合は、支援計画の全部を登録支援機関へ委託できます。

ただし、支援を委託しても、外国人を雇用する事業者としての責任がすべてなくなるわけではありません。

 

違い10|ホテル・旅館側の受入れ要件

技人国の場合

技人国では、ホテル・旅館側について、特定技能のような宿泊分野特定技能協議会への加入義務はありません。

ただし、申請では次のような点が確認されます。

  • 会社や施設が実際に事業を行っていること

  • 外国人が担当する専門業務が十分に存在すること

  • 継続して雇用できる経営状況であること

  • 雇用契約が適正であること

  • 日本人と同等以上の報酬を支払うこと

  • 学歴・職歴と仕事内容が合っていること

 

特定技能「宿泊」の場合

特定技能外国人を受け入れるホテル・旅館は、主に次の条件を満たす必要があります。

  • 旅館業法上の「旅館・ホテル営業」の許可を受けている
  • 風俗営業法上の一定の施設に該当しない
  • 外国人に風俗営業法上の「接待」をさせない
  • 外国人と直接雇用契約を結ぶ
  • 日本人と同等以上の報酬を支払う
  • 宿泊分野特定技能協議会に加入する
  • 特定技能1号外国人への支援体制を整える
  • 労働関係法令や社会保険関係法令を守っている

在留資格の申請時には、宿泊分野特定技能協議会の構成員であることを明らかにする書類が必要です。

協議会への加入手続きはオンラインで行われ、紙による郵送申請は受け付けられていません。

 

技人国が向いているホテル・旅館

次のような人材を採用したい場合は、技人国が適している可能性があります。

  • 外国人宿泊客への通訳を担当してほしい
  • 海外の旅行会社との営業や交渉を任せたい
  • インバウンド向け宿泊プランを企画してほしい
  • 外国語による広報やSNS運用を任せたい
  • 海外市場の調査やマーケティングを担当してほしい
  • 外国人顧客向けの予約管理を任せたい
  • 大学で学んだ観光・経営・語学などの知識を生かしてほしい

ただし、外国語を話せるという理由だけで技人国が許可されるわけではありません。

施設の外国人宿泊客数、海外との取引状況、外国語を使う頻度、具体的な企画内容などを説明する必要があります。

 

特定技能「宿泊」が向いているホテル・旅館

次のような人材を採用したい場合は、特定技能「宿泊」が適している可能性があります。

  • フロントと接客を幅広く担当してほしい
  • レストランサービスも担当してほしい
  • 宴会場での接客を任せたい
  • 館内案内や観光案内を担当してほしい
  • 宿泊業務の現場で即戦力として働いてほしい
  • 将来的に現場のリーダーへ育成したい
  • 学歴ではなく技能や日本語能力を重視して採用したい

フロント、接客、レストランサービスなどを部署横断的に担当してもらう場合は、特定技能の方が実際の仕事内容に合いやすいことがあります。

 

「技人国と特定技能のどちらでもよい」は危険

ホテル・旅館のフロント業務は、技人国と特定技能の両方で認められる可能性があります。

しかし、どちらを選んでも同じというわけではありません。

例えば、外国人の仕事内容が次のような場合を考えてみましょう。

例1|海外営業・通訳・企画が中心

  • 海外旅行会社への営業
  • 外国人宿泊客への通訳
  • 海外向け宿泊プランの企画
  • 外国語によるSNS運用

この場合は、技人国が適している可能性があります。

 

例2|フロント・接客・配膳を幅広く担当

  • チェックイン対応
  • 館内案内
  • レストランでの接客
  • 宴会場でのサービス
  • 付随的なベッドメイキング

この場合は、特定技能「宿泊」が適している可能性があります。

 

例3|客室清掃だけを担当

  • 客室の清掃
  • 浴室・トイレの清掃
  • ベッドメイキング
  • アメニティの補充

この場合は、技人国には該当しません。

特定技能「宿泊」でも、清掃だけに限定した雇用には注意が必要です。業務の実態によっては、特定技能「ビルクリーニング」などを検討します。

 

採用時によくある失敗

職種名だけで在留資格を決める

「フロント」「総合職」という名称だけでは、適切な在留資格を判断できません。

実際に1日、1週間、1か月の中で、どの仕事をどの程度担当するのかを整理する必要があります。

 

N2を持っていれば技人国を取得できると思うこと

N2は日本語能力を示す資格ですが、専門性や学歴・職歴を証明するものではありません。

N2を持っていても、仕事内容が清掃や配膳を中心とする場合は、技人国を取得できない可能性があります。

 

大学を卒業していればどの仕事でもできると思う

大学卒業者であっても、専攻内容や本人の経歴と、採用後の仕事内容との関係が確認されます。

大学を卒業していることだけで、ホテル内のすべての仕事を担当できるわけではありません。

 

特定技能なら清掃だけを任せられると思う

特定技能「宿泊」では、客室清掃やベッドメイキングを関連業務として担当できます。

しかし、清掃だけを主な仕事にすることが当然に認められるわけではありません。

 

許可後に仕事内容を変更する

申請時には通訳や企画と説明していたにもかかわらず、許可後に配膳や客室清掃だけを担当させることはできません。

申請書類と実際の働き方を一致させる必要があります。

 

ホテル・旅館が採用前に確認すること

外国人へ内定を出す前に、少なくとも次の内容を確認しましょう。

1.具体的な仕事内容

「ホテル業務全般」ではなく、フロント、予約管理、接客、企画、配膳などを具体的に整理します。

2.業務ごとの割合

専門業務、接客、レストランサービス、清掃など、それぞれの業務割合を確認します。

3.外国人の学歴・職歴

大学や専門学校の専攻、卒業証明書、成績証明書、過去の実務経験を確認します。

4.試験の合格状況

特定技能の場合は、技能試験や日本語試験の合格証明書を確認します。

5.現在の在留資格

日本にいる外国人を採用する場合は、在留カードの原本を確認します。

6.施設側の受入れ要件

特定技能の場合は、営業許可、協議会加入、支援体制などを確認します。

 

採用から就労開始までの流れ

1.仕事内容を決める

最初に、外国人へ担当してもらう具体的な仕事を整理します。

2.適切な在留資格を判断する

専門業務が中心なら技人国、宿泊サービスが中心なら特定技能を検討します。

3.外国人本人の条件を確認する

学歴、職歴、技能試験、日本語試験、現在の在留資格などを確認します。

4.雇用契約を締結する

給与、勤務時間、休日、勤務地、具体的な仕事内容を明記します。

5.必要な受入れ準備をする

特定技能の場合は、協議会加入や支援計画の作成などを進めます。

6.在留資格を申請する

海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書交付申請、日本国内で在留資格を変更する場合は在留資格変更許可申請を行います。

7.許可後に勤務を開始する

在留資格の変更が必要な外国人は、許可が出る前に新しい仕事内容で働き始めることはできません。

 

よくある質問

Q.ホテルのフロントなら技人国と特定技能のどちらですか?

フロントという職種名だけでは判断できません。

外国語を使った通訳、海外営業、企画、マーケティングなどの専門業務が中心なら、技人国が適している可能性があります。

一般的なチェックイン対応、館内案内、接客、レストランサービスなどを幅広く担当する場合は、特定技能「宿泊」が適している可能性があります。

 

Q.技人国で配膳や客室清掃をさせられますか?

配膳や客室清掃を主な仕事にすることはできません。

専門業務に従事する中で、一時的・付随的に手伝うことはあり得ますが、実際の業務の大部分が清掃や配膳にならないよう注意が必要です。

 

Q.特定技能なら客室清掃だけで採用できますか?

特定技能「宿泊」では、客室清掃やベッドメイキングを関連業務として付随的に担当できます。

ただし、清掃だけを担当させる場合は、宿泊分野ではなく、ビルクリーニング分野などに該当する可能性があります。

 

Q.特定技能外国人を派遣会社から受け入れられますか?

宿泊分野では受け入れられません。

ホテル・旅館が特定技能外国人と直接雇用契約を結ぶ必要があります。

 

Q.技人国ではN2が必要ですか?

すべての技人国外国人にN2が一律に必要なわけではありません。

ただし、日本語を使ったフロント対応など、言語能力を用いる対人業務では、日本語能力を証明する資料が必要になることがあります。

 

Q.特定技能1号から技人国へ変更できますか?

技人国の学歴・職歴要件を満たし、採用後の仕事内容が専門的な業務に該当すれば、変更できる可能性があります。

ただし、特定技能として働いた経験があるという理由だけで、技人国へ変更できるわけではありません。

 

Q.特定技能1号から2号へ移行できますか?

宿泊分野は特定技能2号の対象です。

所定の試験への合格や、複数の従業員を指導しながら宿泊サービス業務に従事した実務経験などの要件を満たせば、2号へ移行できる可能性があります。

 

まとめ

ホテル・旅館で外国人を雇用する場合、技人国と特定技能「宿泊」では、認められる仕事内容や採用条件が異なります。

技人国は、学歴や職歴を生かした専門的な仕事を対象としています。

一方、特定技能「宿泊」は、フロント、接客、企画・広報、レストランサービスなど、宿泊施設の現場業務を幅広く担当するための在留資格です。

主な違いを整理すると、次のようになります。

  • 専門的な通訳・企画・海外営業なら技人国
  • フロント・接客・レストランサービスを幅広く担当するなら特定技能
  • 技人国では清掃・配膳を主な仕事にできない
  • 特定技能では関連業務として客室清掃などを担当できる
  • 技人国は学歴・職歴が重要
  • 特定技能1号は技能試験・日本語試験が基本
  • 特定技能1号では支援計画が必要
  • 宿泊分野の特定技能は直接雇用のみ
  • 特定技能の受入れには協議会加入などの要件がある

どちらの在留資格を選ぶかは、「取得しやすそうか」ではなく、採用後の実際の仕事内容を基準に判断する必要があります。

当事務所では、ホテル・温泉旅館における外国人雇用について、次のようなご相談に対応しています。

  • 技人国と特定技能のどちらが適切か分からない
  • フロント業務が技人国に該当するか確認したい
  • 接客や配膳を含む仕事内容で採用できるか相談したい
  • 外国人の学歴と仕事内容の関連性を確認したい
  • 特定技能外国人を初めて受け入れたい
  • 海外から外国人スタッフを呼び寄せたい
  • 在留資格変更や更新の申請を依頼したい

採用後に仕事内容と在留資格が合わないことが判明すると、外国人本人だけでなく、雇用するホテル・旅館にも大きな影響が生じます。

外国人へ内定を出す前に、予定している仕事内容と適切な在留資格を確認することをおすすめします。

ビザ申請・変更・更新や永住許可申請、帰化申請など外国人のお手続きは「川越政伸行政書士事務所」へお任せください!

https://office-kawagoe.com

2026.08.09 Sunday