Blog
山形県のホテル・温泉旅館で外国人を雇用するには?技人国とN2要件を解説
ホテル・温泉旅館で外国人を「技人国」で採用する企業様へ
ホテル・旅館の技人国ビザにN2は必要?
2026年のCEFR B2要件と例外を解説
フロント・予約対応・通訳・接客でN2が必要になるケース、
N2以外の証明方法、更新申請、特定技能「宿泊」との違いまで行政書士が解説します。
まず結論|技人国=全員N2必須ではありません
✓ 「技術・人文知識・国際業務」全体に一律のN2要件があるわけではありません。
✓ ただし、2026年4月15日以降、カテゴリー3・4の一定の申請では言語能力資料が追加されています
✓ ホテルフロントなど、主に言語能力を使う対人業務では業務使用言語のCEFR B2相当の証明が必要になる場合があります
✓ 日本語ではJLPT N2以上が代表的な証明方法です
✓ BJT400点以上、日本の大学・一定の専門学校修了など、N2以外の方法でB2相当とみなされる場合もあります
✓ N2があっても、客室清掃・ベッドメイキング・単純な配膳が主業務なら技人国に適するとは限りません
ホテル・旅館で外国人を採用する際、「フロントで働くならJLPT N2が必要なのか」という相談が増えています。
2026年4月15日に出入国在留管理庁が「技術・人文知識・国際業務」の取扱いを明確化したことで、「全員N2が必要」という理解も、「技人国には日本語要件が一切ない」という理解も正確ではありません。
重要なのは、勤務先のカテゴリー、申請の種類、実際の仕事内容、業務で主に使用する言語を確認することです。
「N2がない外国人へ内定を出してよいか分からない」というホテル・旅館の方へ
日本語資格だけで判断せず、本人の学歴・職歴、担当予定業務、使用言語、企業カテゴリーを確認したうえで、技人国で申請できるか整理します。
「技術・人文知識・国際業務」とは?
「技術・人文知識・国際業務」は、大学・専門学校等で学んだ知識や、一定の実務経験を生かし、専門的・国際的な業務に従事する外国人を対象とする在留資格です。
ホテル・旅館で技人国の対象になり得る業務例
・外国語を使用したフロント・予約対応
・外国人宿泊客への通訳・案内
・海外旅行会社との営業・連絡調整
・インバウンド向け宿泊プランの企画
・海外市場の調査・マーケティング
・外国語による広報・SNS運用
・多言語ホームページの企画・制作
・経理、人事、総務等の専門業務
「フロントスタッフ」「総合職」という職種名だけで技人国になるわけではありません。
本人の学歴・職歴と仕事内容の関連性や、実際の業務が技人国に該当する専門的な内容かどうかを確認します。
技人国ビザではN2が必須?
技人国を取得する外国人全員に、JLPT N2が一律に義務付けられているわけではありません。
例えば、業務内容によっては次のような仕事で、N2を取得していないことだけを理由に直ちに申請できなくなるわけではありません。
・経理・財務
・システム開発
・海外向けマーケティング
・宿泊プランの企画
・外国語を中心に使用する海外営業
・デザイン・ウェブ制作
一方、2026年4月15日以降は、一定の企業・申請で、主に言語能力を用いて対人業務等に従事する場合の言語能力資料が明確に追加されています。
2026年4月15日から何が変わった?
カテゴリー3・4の一定の申請で「CEFR B2相当」の言語能力証明が追加
2026年4月15日以降の申請から、カテゴリー3または4に該当する場合、主に言語能力を用いて対人業務等に従事するときは、業務上使用する言語についてCEFR B2相当の言語能力を有することを証明する資料の提出が必要になります。
出入国在留管理庁は、対象となる業務例として翻訳・通訳やホテルフロント等の接客を挙げています。
新規採用で特に確認したい申請
・在留資格認定証明書交付申請
・在留資格変更許可申請
・在留資格取得許可申請
また、現在すでに技人国で在留している場合でも、転職や業務変更によって新たに言語能力を用いる対人業務を主に担当する場合には、更新申請時に言語能力資料が必要になる場合があります。
出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」の最新提出書類を確認する
ホテル・旅館でN2等の言語能力証明が重要になるケース
例えば、ホテル・旅館で次のような日本語を使った対人業務を中心に担当する場合は、言語能力資料の確認が重要です。
フロント
日本語によるチェックイン・チェックアウト、館内説明、宿泊客対応
予約対応
日本語による電話・メール予約、変更・キャンセル対応
案内・接客
観光・交通案内、宿泊客への説明、苦情・トラブル対応
通訳
外国人宿泊客と日本人スタッフ・取引先等の間での通訳
業務で主に日本語を使用する場合、CEFR B2相当の日本語能力を示す代表的な方法がJLPT N2以上です。
N2がなくてもCEFR B2相当と扱われる場合があります
CEFR B2相当の日本語能力を示す方法は、JLPT N2だけではありません。
| 方法 | 取扱い |
|---|---|
| JLPT N2以上 | B2相当の日本語能力を有するものとみなされる |
| BJT 400点以上 | B2相当として扱われる |
| 中長期在留者として20年以上日本に在留 | B2相当の日本語能力を有するものとみなされる |
| 日本の大学を卒業 | B2相当として扱われる |
| 日本の高等専門学校を卒業 | B2相当として扱われる |
| 日本の専修学校の専門課程・専攻科を修了 | B2相当として扱われる |
| 日本の義務教育を修了し、日本の高校を卒業 | B2相当として扱われる |
「N2を持っていない=採用できない」ではありません。
日本での学歴等によりB2相当とみなされる場合があるため、採用予定者の学歴・在留歴まで確認しましょう。
日本語学校卒業ならN2は不要?
日本語学校を卒業したことだけで、当然にCEFR B2相当とみなされるわけではありません。
現在、入管庁がB2相当とみなす日本の教育機関として示しているのは、大学、高等専門学校、専修学校の専門課程・専攻科等です。
「専門学校を卒業した」と聞いた場合も、学校名だけでなく、どの課程を修了したのか、専門士等の称号があるかまで確認することが重要です。
英語・中国語など外国語対応が中心なら日本語N2は不要?
今回の取扱いで確認されるのは、単純に「日本語能力」だけではなく、業務上使用する言語です。
例えば、海外旅行会社との商談や外国人宿泊客への英語対応が中心であれば、英語等の能力をどのように示すかが問題になる場合があります。
採用前に整理するポイント
・どの言語を使用するのか
・誰に対して使用するのか
・どの業務で使用するのか
・日本語を使う業務の割合
・外国語を使う業務の割合
・電話・メール・対面のどこで使用するか
「外国人宿泊客の担当だから日本語は一切使わない」と単純に判断せず、日本人スタッフとの連絡や日本語予約対応も含めて、実際の働き方を具体化することが大切です。
カテゴリー3・4のホテル・旅館は特に確認
技人国の在留申請では、所属機関の規模・実績等に応じてカテゴリーが分かれ、提出書類が異なります。
| カテゴリー | 代表的なイメージ |
|---|---|
| 1 | 上場企業、国・地方公共団体等 |
| 2 | 一定の要件を満たす企業・団体等 |
| 3 | 前年分の法定調書合計表を提出している企業・個人のうちカテゴリー2等を除くもの |
| 4 | カテゴリー1~3等に該当しない企業・個人、新設企業等 |
一般的な中小規模のホテル・旅館ではカテゴリー3、新設法人等ではカテゴリー4に該当することがあります。
カテゴリーだけを見て採用可否を判断しないことも重要です。
カテゴリー1・2の場合でも、申請内容によって言語能力資料等を追加で求められることがあります。実際の仕事内容と本人の言語能力は採用前に確認しておきましょう。
N2があれば必ず技人国が許可されるわけではありません
JLPT N2は、あくまで言語能力を確認するための資料です。
技人国の審査では、日本語能力以外にも次のような点が重要です。
・本人の学歴・職歴
・大学・専門学校の専攻内容
・専攻と仕事内容との関連性
・担当業務の専門性
・実際の専門業務の量
・雇用契約の内容
・日本人と同等以上の報酬
・企業の事業内容
・外国語を必要とする業務量
・継続して専門業務を行える事業規模
N2を持っていても「ホテル業務なら何でもできる」わけではありません。
日本語能力と、技人国で認められる仕事内容は別の問題です。
フロント採用でも、実際の仕事が清掃・配膳中心なら注意
出入国在留管理庁は、ホテル・旅館での技人国について許可・不許可事例を公表しています。
例えば、フロントスタッフとして採用するとしながら、実際には次のような仕事が中心となるケースは注意が必要です。
・客室清掃
・ベッドメイキング
・館内清掃
・食器洗い
・料理の配膳
・荷物運搬
・駐車場への誘導
入管庁の不許可事例には、ホテルで予約管理・通訳を行うフロントスタッフとして申請しながら、配膳・客室清掃等の実務研修が長期化していたケースも示されています。
求人票や雇用契約書の職種名ではなく、実際にどの仕事を、どのくらいの割合で担当するのかを確認しましょう。
現在技人国で働いている外国人の更新にも影響する?
在留期間更新許可申請については、以前から継続して同様の業務内容に従事している場合、言語能力を証明する資料の提出を要しない取扱いが示されています。
ただし、次の場合は改めて確認が必要です。
・別のホテル・旅館へ転職した
・バックオフィスからフロントへ異動した
・業務内容が大きく変更された
・新たに通訳・接客を主業務とする
・申請時と実際の仕事内容が異なる
また、継続業務であっても審査上必要と判断された場合には、追加資料を求められることがあります。
技人国が難しい場合は特定技能「宿泊」も検討
ホテル・旅館の現場で、フロント、接客、レストランサービス等を幅広く担当してもらいたい場合は、特定技能「宿泊」が仕事内容に合うことがあります。
| 比較 | 技人国 | 特定技能「宿泊」 |
|---|---|---|
| 仕事 | 専門知識・外国文化に基づく業務 | フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等 |
| 学歴 | 関連する大学等の学歴・一定の実務経験等 | 大学卒業は必須ではない |
| 日本語 | 一律N2ではない。一定の言語対人業務ではB2相当資料を確認 | 原則JFT-BasicまたはJLPT N4以上等 |
| 清掃・配膳 | 単純業務を主業務にはできない | レストランサービスは対象。清掃等は関連業務として付随的に可能 |
| 支援 | 特定技能制度上の支援計画は不要 | 1号は支援計画・支援が必要 |
ホテル・旅館の外国人雇用|技人国と特定技能「宿泊」の違いを詳しく比較
ホテル・旅館が内定前に確認したい7項目
✓ JLPT・BJT等の言語資格
✓ 日本での大学・専門学校等の学歴
✓ 海外を含む大学・専門学校の専攻
✓ 過去の実務経験
✓ 実際に担当してもらう仕事内容
✓ 日本語・外国語を使用する業務割合
✓ 自社がどの申請カテゴリーに該当するか
ホテル・旅館の技人国とN2についてよくある質問
Q.ホテルのフロントで働く外国人は必ずN2が必要ですか?
すべてのケースでN2が一律必須というわけではありません。ただし、カテゴリー3・4の一定の申請で、日本語を主に使うフロント・接客等に従事する場合は、CEFR B2相当の言語能力資料が必要になります。N2以上はその代表的な証明方法です。
Q.N3では申請できませんか?
N3だけでは、今回示されているB2相当の日本語能力を証明する方法には当たりません。ただし、日本の大学・一定の専門学校修了等、別の条件でB2相当とみなされる場合があります。
Q.日本の専門学校を卒業していればN2は不要ですか?
日本の専修学校の専門課程または専攻科を修了している場合は、B2相当の日本語能力を有するものとみなされる取扱いがあります。日本語学校の修了とは区別して確認します。
Q.N2があれば客室清掃や配膳も担当できますか?
N2の有無と技人国で認められる仕事内容は別です。客室清掃・ベッドメイキング・単純な配膳等を主業務として技人国で働くことは適切ではありません。
Q.英語で外国人宿泊客を担当する場合も日本語N2が必要ですか?
確認されるのは「業務上使用する言語」です。英語等を主に使用する業務なら、その外国語能力が問題になる場合があります。ただし、日本語の電話・予約・社内調整等も主な業務に含まれる場合は日本語能力も確認しておく必要があります。
Q.現在技人国でフロント勤務しています。更新でもN2資料が必要ですか?
以前から継続して同様の業務内容に従事している場合は、更新時に言語能力資料の提出を要しない取扱いがあります。ただし、転職・業務変更がある場合や、審査上必要な場合は提出を求められることがあります。
Q.N2がなく、技人国が難しい場合は特定技能「宿泊」にできますか?
特定技能「宿泊」の本人要件・企業側要件を満たし、予定する仕事内容が宿泊分野の対象業務であれば検討できます。技人国とは学歴・仕事内容・支援義務等が異なるため、採用前に比較します。
ホテル・旅館の外国人採用におすすめの記事
山形県のホテル・温泉旅館で技人国外国人を採用したい企業様へ
内定前の在留資格確認から申請までサポート
川越政伸行政書士事務所では、ホテル・温泉旅館における外国人採用について、技人国・特定技能「宿泊」の在留資格手続きをご相談いただけます。
・N2がない外国人を採用できるか確認したい
・フロント業務が技人国に該当するか知りたい
・日本の専門学校卒業者を採用したい
・学歴と仕事内容の関連性を確認したい
・自社のカテゴリーを確認したい
・技人国と特定技能のどちらが適切か分からない
・海外から外国人スタッフを呼びたい
・留学生を卒業後に正社員採用したい
・在留資格変更・認定申請を依頼したい
まとめ|「N2があるか」だけで技人国を判断しない
ホテル・旅館で「技術・人文知識・国際業務」により外国人を雇用する場合、外国人全員にJLPT N2が一律必須というわけではありません。
ただし、2026年4月15日以降、カテゴリー3・4の一定の申請で、ホテルフロント・通訳・接客等の主に言語能力を用いる対人業務に従事する場合は、業務上使用する言語についてCEFR B2相当の能力を示す資料が必要になります。
さらに、N2等の言語能力とは別に、本人の学歴・職歴、専攻と仕事内容の関連性、専門業務の内容・量、給与、勤務先の事業内容なども確認されます。外国人へ内定を出す前に、予定する仕事内容と本人の経歴をセットで確認することが重要です。
「N2がないけれど採用したい」というホテル・旅館の方へ
日本語資格だけでなく、学歴・職歴・仕事内容・企業カテゴリーを確認して、技人国で申請できるか整理します。
お問い合わせはこちら川越政伸行政書士事務所
申請取次行政書士・登録支援機関

