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2025-03-10 19:00:00

建設分野の特定技能とは?外国人の受入れ要件を行政書士が解説

 

建設分野では、一定の技能や日本語能力を持つ外国人を、在留資格「特定技能」で雇用できます。

ただし、建設分野は現場ごとに就労場所が変わることや、工事の受注状況によって仕事量が変動しやすいという特徴があります。そのため、一般的な特定技能の要件に加えて、国土交通省が定める独自の受入れ基準を満たさなければなりません。

建設分野の3つの業務区分

建設分野の業務は、主に次の3区分に分けられています。

土木

道路、公園、河川堤防、港湾施設、空港滑走路など、建築物以外の土木施設の新設、改築、維持、修繕に関する作業です。

建築

住宅やビルなどの建築物の新築、増築、改築、移転、修繕、模様替えなどに関する作業です。

ライフライン・設備

電気、ガス、水道、電気通信などのライフラインや設備の整備、設置、変更、修理などに関する作業です。

主たる建設業務に付随する範囲であれば、資材の運搬、清掃、片付けなどの関連業務にも従事できます。ただし、関連業務だけを専門に行わせることは認められません。

特定技能1号の取得要件

建設分野の特定技能1号を取得するには、原則として次の試験に合格する必要があります。

  • 従事する区分に対応した建設分野特定技能1号評価試験等
  • 国際交流基金日本語基礎テスト
  • 日本語能力試験N4以上など、日本語教育の参照枠A2相当以上の試験

建設分野に関連する技能実習2号を良好に修了している場合は、対応する技能試験と日本語試験が免除されることがあります。また、他の職種で技能実習2号を良好に修了した場合も、日本語試験が免除される場合があります。

特定技能2号の取得要件

建設分野の特定技能2号は、熟練した建設技能を持つ外国人を対象としています。

取得するためには、建設分野特定技能2号評価試験や技能検定1級などに合格するだけでなく、建設現場で複数の技能者を指導しながら作業を行い、工程を管理する「班長」としての実務経験が必要です。

必要な実務経験日数は職種によって異なります。対応する能力評価基準がない場合は、原則として班長・職長として3年以上、勤務日数645日以上の経験が求められます。実務経験は、建設キャリアアップシステムに蓄積された就業履歴などによって確認されます。

受入れ企業に必要な要件

建設分野で特定技能外国人を雇用する企業には、主に次の要件が求められます。

  • 建設業法に基づく建設業許可を受けていること
  • 建設キャリアアップシステムに事業者登録すること
  • 外国人本人を建設キャリアアップシステムに技能者登録すること
  • 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)またはJACの正会員団体に加入すること
  • 国内人材を確保するための求人活動を行っていること
  • 国土交通省の調査や指導に協力すること
  • 労働者派遣ではなく、企業が直接雇用すること

受入れ企業は、JACの賛助会員として直接加入するか、JACの正会員である建設業者団体を通じて加入する必要があります。

特定技能1号では「建設特定技能受入計画」が必要

建設分野で特定技能1号の外国人を雇用する場合は、在留資格申請とは別に、国土交通大臣から「建設特定技能受入計画」の認定を受けなければなりません。

受入計画には、企業情報、国内人材確保の取組、外国人の報酬、安全衛生教育などを記載します。国土交通省への計画申請と地方出入国在留管理局への在留資格申請を並行して進めることはできますが、在留資格の許可を受けるには、受入計画認定証の写しが必要です。

受入れ人数には上限がある

建設分野の特定技能1号には、企業ごとの受入れ人数制限があります。

特定技能1号の外国人の人数は、受入れ企業の常勤職員数を超えることができません。この常勤職員数には、技能実習生と特定技能1号外国人は含まれません。

賃金は月給制で支払う必要がある

建設分野の特定技能外国人には、同程度の技能や経験を持つ日本人と同等以上の報酬を支払わなければなりません。

技能実習2号修了者はおおむね3年、技能実習3号修了者はおおむね5年の経験者として扱い、その経験年数に応じた日本人技能者の賃金と比較して報酬額を決定する必要があります。

また、仕事の繁閑によって収入が大きく変動しないよう、報酬は原則として月給制で安定的に支払う必要があります。技能の習熟や資格取得、建設キャリアアップシステムの能力評価の上昇などに応じて、昇給する仕組みも雇用契約に記載しなければなりません。

受入れ後も報告や変更手続が必要

特定技能外国人の受入れ後も、雇用の開始や終了、退職、報酬、業務内容などに変更があった場合は、国土交通省や出入国在留管理局への報告・届出が必要です。

新たな特定技能1号外国人を追加する場合も、建設特定技能受入計画の変更申請が必要です。必要な変更手続を行わずに雇用を継続した場合は、受入計画の認定が取り消される可能性があります。

まとめ

建設分野で特定技能外国人を雇用するためには、外国人本人の試験や実務経験だけでなく、受入れ企業側にも多くの要件があります。

特に重要なのは、次の事項です。

  • 外国人の業務が土木・建築・ライフライン・設備の対象業務に該当するか
  • 建設業許可を取得しているか
  • 建設キャリアアップシステムに登録しているか
  • JACまたは正会員団体に加入しているか
  • 日本人と同等以上の月給を設定しているか
  • 特定技能1号の場合は受入計画の認定を受けているか
  • 受入れ人数が常勤職員数を超えていないか

建設分野は、ほかの特定技能分野よりも申請先や必要手続が多いため、採用を決定する前から計画的に準備することが重要です。

当事務所では、建設分野の特定技能1号・2号に関する在留資格申請、受入れ要件の確認、必要書類の作成などをサポートしています。外国人材の採用を検討されている建設企業様は、お早めにご相談ください。

※本記事は、ご指定の運用要領(令和7年1月31日一部改正)を基に作成しています。申請時には、国土交通省および出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。

2026.08.05 Wednesday